法律のいろは

給料や収入が下がって,養育費の支払いが苦しくなった場合は,どうすればいいのでしょうか?

2015年9月5日 更新 

 勤め先の事情とか仕事を辞めることになった,自営業の場合は売り上げが大きく下がった等,収入が大きく下がることは日常十分ありうることです。一方で,離婚の際に養育費の取り決めをきちんとした場合には,当然ですが,養育費の支払うべき金額は変わりません。たとえば,毎月3万円を子供1人ずつ20歳まで支払うという内容であれば,その内容は変わらないままです。

 ここで毎月の給与が10万円も下がるようなことがあったとすれば,生活状況によってはこうした金額を支払うのが苦しくなるかもしれません。そうした場合にどう対応するのがいいのでしょうか?

 一つの方法として簡単に考え付くのが,支払いが苦しいから支払うのを一方的に減らす・支払うのを止めるというのがありえます。ただ,この方法は,相手方の大きな不信を招くことになりますし,給料の差押といった方法を招きかねません。養育費が子供の養育にかかる費用という面があることから,面会交流とは関係はないものの,トラブルにつながる可能性もありえます。そのため,こうした方法はあまりお勧めできないところです。

 むしろ,支払いが苦しくなったので減額をしたい旨の話し合いを行う必要があります。この場合には具体的な理由と減額額を示す必要があるでしょう。もちろん,相手方としても事情が存在しないために,申入れをしたからといって直ちに応じるとは限りません。差押で回収できるのか等様々な事情が問題になるところです。収入が減ったという事情(養育費の取り決め時に予測できなかった事情に基づくもの)があるのであれば,調停等になった場合には減額になる可能性が大きくなってきます。そのため,金額はともかくとして応じる可能性はそれなりに出てくるものと考えられます。ただし,それぞれの生活状況等から,これでは子供を育てることは厳しいという対応をしてくることも予測されるところです。
 子供の状況や支払いが可能になる状況,収入状況等をふまえて,こうした相手方の対応についてどのようにするかを考えていく必要があります。

 ここで話がつけば問題はありませんが,話がつかない場合には家庭裁判所での調停を申し立てるかを考えることになります。その際には,「事情の変更」となる事柄(ここでは減収とその原因)についての言い分と証拠を準備する必要があります。また,相手の言い分への反論等も考える必要があるように思われます。

 もともとも合意を取り決めた公正証書がある場合に,話し合いが付いた後の対応等注意すべき点はあります。専門家への相談も一つの手でしょう。

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