法律のいろは

貸したお金が返ってこないのですが,どうすればいいのでしょうか(その③)?

2015年9月19日 更新 

 貸したお金が返ってくるのかという話について,前回は,いつ返すという約束だったのかという話について触れました。時期を定めれば,その時なのだけれども,はっきりしない時期の場合について触れました。そもそも,どういう時期の定めなのかがはっきりしない場合については,貸した方と借りた方のお互いの思惑に大きな違いがあることが多くなりがちです。その場合は貸し借りのあった際の事情等から,こういった約束ではなかったのかという約束事を解釈していく形になります。裁判になった場合は,どちらの考え方がより自然か等の点から判断されることになります。

 前々回に触れましたが,お金が返ってこない場合に予測される大きな問題点として,貸し借りの約束についての証拠が残っていない・約束の内容が曖昧である点が考えられるところです。前者は借用書で対応するのが無難なところで,後者も借用書ではっきりさせておくことで問題を避けることができます。

 このほかに,大きな問題としては,様々な人間関係から支払いのないまましばらく請求もせずに放っておいた場合・相手方に支払うだけのお金があるのか問題であるといったことが考えられます。前者は,以前少し触れましたが,時効によって請求がはばまれるかという話です。後者は現実に支払ってくれるか・お金の回収が期待できるかという話になります。順に触れていきたいと思います。

 まず,請求もせず支払われもせずに時間が経過した場合に問題が起きるのかどうかという話に触れます。個人が商売でもなくお金の貸し借りをする際には,時効に必要な期間は10年となります。いつから10年なのかという話は後で触れますが,この期間が経過して事項を借りた側から主張されると,法律上はお金の請求が認められなくなります。簡単に言えば,相手が自発的に払えばいいけれども,拒否された場合に法律上請求は認められないという話です。
 そのため,非常に長い間お金を貸して,全く支払われてもいない・請求もしていないという場合には,時効が壁になってくることも十分あり得るところです。こうしたところもあり,いつから10年がスタートするのか・何か時効を止める方法がないかというところが気になりところです。

 次回に続きます。

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