法律のいろは

貸したお金が返ってこないのですが,どうすればいいのでしょうか(その⑤)?

2015年9月24日 更新 

 貸したお金が返済されない場合について,前回は時効対策の話(スタートはどの時点から・対策方法)について少し触れました。最後に触れた点だけ振り返ります。返済がされないと,何かしらの方法で請求をするのが普通と思われます。返済されないことに悩むケースでは,何度も返しておらうよう言ってもはぐらかされる等のことが多いのではないでしょうか?その際に,請求をしたかどうかは証拠がないと,言った言わないの話になることが通常でしょう。

 そのため,証拠を残すのは重要ですが,時効との関係でいえば,何度もこうした請求をしても時効のリセットにつながりうるのは一回目だけです。前回も触れましたように,その請求から6か月以内に強力な一手を打たないと,時効はリセットされないことになりかねません。何度も請求をとりあえずして証拠を残しておけばいいというわけではないのは,注意が必要でしょう。

 次に,仮に返済がない場合に,裁判等を起こして回収するという方法があります。この方法を用いる際の少額裁判や支払い督促のメリットでデメリットは以前触れました。こうした方法をとっても相手が支払いの意向もなく,差押の対象となる財産がない場合には,裁判で請求が認められても,実際の回収は中々難しいところです。判決等を得れば,時効の期間は,判決などが出された時点から10年となります。

 また,貸したお金が返済されない場合に,相手方(またはその代理人)から,破産その他負債の整理をするという通知が来ることがあるかもしれません。負債の整理の方法は,分割返済を話し合いで行うという任意整理(裁判所の調停で話し合いを行うという方法もあります),破産申立が多いのではないでしょうか?もちろん,個人再生という負債を圧縮して分割返済をするという方法もありますが,先ほどのどちらかの方法を使うことが多い印象があります。
 
 このうち,破産について言うと,個人の破産の申し立ては,大ざっぱに言って,免責という負債の支払い義務をなくす手続とセットになっているのが通常です。この手続きによって,負債の支払い義務をなくすことを大きな目的として申立を考えるわけですし,支払い不能な状況であることがこうした申立をする前提として必要となります。

 そうすると,こうした申立を考えているという話がなされること自体,回収には大きな問題が出てくる可能性を示しています。長くなりましたので,次回に続きます。

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