法律のいろは

祖父母に対する扶養請求って?

2015年9月25日 更新 

 離婚の際に未成年の子供さんがいる場合には,親権や面会交流とともに養育費の支払いが問題になります。この養育費は,これまで何度か触れたように,公正証書で作成すれば必ず支払いが受けられるというものではない点には注意が必要です。また,面会交流と養育費の支払いは対応関係にはありません。ただし,確たる理由がなく子供に会わせないけれども,養育費の請求を行う場合には,一般に紛争の火種となりかねない点は心にとめておいた方がいいように思われます。

 もちろん,養育費は,子供の成長に必要なお金であり,面会交流は,子供の成長にとって普段養育していない親との交流がプラスに働くようにするものではあります。とはいえ,子供の姿は見れないけれども,負担だけということは一般に不信感を生むことにつながりかねません。摩擦を生むのがプラスかどうかは,その際の生活状況をふまえ,よく考えた方がいいように思われます。

 養育費の支払いがなされず,差押等の手段を使っても回収ができない場合に,祖父母に対する扶養請求を行うことは方法の一つとしては存在するところです。ただし,子供に対する扶養義務は,法律上,第一には子供の父母がなすものであること・いわゆる算定表と呼ばれるものはあくまでも父母の扶養義務である養育費に関するものである点には注意が必要です。

 このことからは,養育費の支払う側の親が養育費の支払いをしないから直ちに扶養請求が認められるというのではなく,現に子供を養育監護をしている親の資力が子供の養育に十分でないことも必要な事情かと思われます。特に,家庭裁判所での判断を要するようなケースではこうした点の考慮は必要なように考えられます。同様のことは,扶養が認められた場合の金額についても言えるでしょう。

 子供の養育が苦しい場合に,元配偶者の実家に援助が得られるような人間関係を維持することは簡単なことではありません。とはいっても,一般論として,音信があまりない状況で突然お金の支払いを求められても直ちには応じられないという事はあるのではないでしょうか?だからといって,苦しい状況の場合には,それでもということもあるでしょう。請求をしたいと思う側も相手の考えをよく頭に入れておくことが必要でしょう。

 

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