法律のいろは

貸している部屋の家賃が支払われない場合,どうすればいいのでしょうか(その⑦)?

2015年10月6日 更新 

 前回は,貸した部屋の家賃の滞納が続くうえに,借りた方が出ていくお金もない場合やいるのかどうかわからない場合の話を少し触れました。今回はその続きです。

 前回まで触れましたように,いかに家賃の滞納が続いているからといって,勝手にその部屋に入り勝手に荷物を捨てる・鍵をかえるというのは法律的にはリスクの高い行為です。そのため,退去を求める際には部屋を貸す契約を解除して,出ていくように求める必要があります。前回は,出ていくお金のない方への対応という事で裁判等の強制手続きの際の費用と引っ越し代を工面してあげて出ていってもらう,という方法の比較をする必要があるかもしれないという話を触れました。

 裁判だけでなく,強制的に出ていってもらう(強制執行)には費用や手間がかかります。詳しくはいずれ触れますが,この点などとの比較になるものと思われます。それでも,借りた方がいるかどうかわからず話ができないようなケースでは,裁判手続などを行わないことには先に話が進みません。未払いの家賃の改修以外に,そのままの部屋の状況を解消するというのも重要な点でしょう。

 こうした場合,部屋からの退去を求める裁判(未払い家賃の支払いを求める裁判も)を起こすことになります。ここで注意が必要なのは,この裁判で得た判決が及ぶ範囲には法律上限界があるという点です。行方不明かもしれないなら,その方の荷物しか基本的にはないから問題がないのではという点はかなりの場合において当っているかもしれません。ただし,場合によっては,住んでいる方が全くの別の方になっていることがあるかもしれません。

 そもそも,そうした事柄があれば,そのこと自体が賃貸借契約を解除するだけの事情になりますが,ここでは部屋からの退去を確実に行う必要がありますから,こうした可能性があるかどうかの注意が一応は必要です。それでは,部屋に住んでいる方が変わっていた場合に,何の問題が起こるのでしょうか?

 こうした方が使う状況を容認しないといけないわけではありません。あくまでも退去していってほしいという判決が及ぶ方の範囲が法律上決まっているので,裁判を起こした時全く別の人が住んでいた・裁判中に別の人が住むようになった場合には,再度裁判を起こさないといけなくなるというのがここでの面倒な点です。

 長くなりましたので,詳しくは次回に続きます。

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