法律のいろは

建物やその部屋を借りている場合に,増改築等をする場合に問題はあるのでしょうか(その④)?

2015年12月2日 更新 

 部屋や家を借りている場合に,状況によっては別途借りていない敷地を使っている方がおられるかもしれません。たとえば,戸建ての家を借りている場合に,借りていない敷地(貸主のものであることを前提とします)に花壇を作っているような場合です。こうした場合,こうした敷地は借りていない以上無断利用のように見えます。こうした事柄には問題があるのでしょうか。

 他に問題がある事情があれば話は変わってきますが,借りている部屋や建物の利用をするために,一般的に必要と考えられる範囲では,その敷地(あくまでも部屋や建物のの敷地です)を利用することには問題はありません。これに対して,別の土地については明らかに無断利用になります。それは,仮に隣接する土地であっても変わることはありません。

 とはいえ,その敷地に建物や部屋を勝手に増築するとか,特に建物を借りている場合に別の小屋などの構造物を借りることは用法違反に当たります。これは,通常そうした事柄まで,借りている建物等の利用をするために必要とは考えられないためです。こうした用法違反にあたる場合には,契約解除を貸主から有効になされるのかが問題になります。これは,こうした許される範囲内の利用であるかどうかが大きなポイントとなります。

 裁判例の中には,ビルの一階を借りている方が,その敷地に花壇を設置したり,自販機を設置したケースについて,許される範囲内であると判断したものがあります。ただし,この範囲内であれば当然に許されるというわけではありません。また,駐車用スペースを自分の商品置き場として使っていたケースについて,近隣に迷惑を及ぼすなどの理由で,許される範囲内ではないと判断したケースもあります。あくまでも,ケースバイケースの判断ではありますが,周りに迷惑を及ぼすような利用や構造物を作るような利用は,許される範囲を超えていると判断される可能性が高くなってくると思われます。

 ケースによって微妙な点はありますが,紛争を避けるのであれば,予め借主と話をして,証拠に残る形で承諾を取っておいた方が無難でしょう。

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