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私立学校の学費を婚姻費用において,修正考慮を認めたケース

2016年1月2日 更新 

 一般に婚姻費用や養育費を決める際に家庭裁判所で考慮する算定表では,一般に公立学校に子供が通うことを前提に金額が考えられています。今回は,収入が多い方に関して,私立学校に通う子供がいる場合に,算定表の数字から学費を考慮して修正した裁判例を紹介します。

 いきなり分かりにくい話ではありますが,算定表ではある程度の収入がある方の教育費(公立学校に通う事を前提)を前提に金額を考えています。これは,養育費・婚姻費用とも同じです。そのため,支払いをする側(養育費・婚姻費用)の所得がこの基準収入の金額よりも多い場合には,実際の公立学校の学費を上回る金額が学費として考慮されてしまうという面倒な面があります。

 問題となったケースでは,別居をした夫婦のうち一方が養育する子供の1人が,別居前から私立中学を目指していました。別居後に一貫校である私立学校の高校へ進学した場合に,この点を婚姻費用を決める際に考慮するかも問題となったものです。他にも色々と争点がありますが,この点に注目して触れていきます。

 第1審・第2審で判断がなされていますが,考慮する点については,認められています。ただし,第2審において,別居前に私立学校への進学を前提に子供の指導を支払う側の親がしていたこと・進学後は,進学を前提に婚姻費用を払っていたこと・一貫校の性質から,考慮すべきとされています。そのため,この前提が崩れるようなケース,支払う側の親がそもそも進学に反対し,そのための援助などをしておらず,一方の親だけが進学を決めた場合には,話が変わりえます。

 そのうえで,第2審において,双方の親の収入の合計が,算定表で想定している収入よりも多いことから,算定表で考慮するべき学費額を計算しています。分かりにくいので,合計を1400万円とすると,想定額が860万円とします。860万円の収入のもとで33万円の年間学費を見込んでいるとします。

 ここから,修正は,33万円×1400万円÷860万円の計算で出てきます。判断では50万円となっています。ここから実際の学費を90万円とすると,差額である40万円が修正要素となります。このうち,親双方が半分ずつ負担せよという事で,年間追加20万円を支払う側が追加で負担することになります。この月額を婚姻費用の支払額に反映させた結論となっています。

 この計算は大ざっぱに記載していますし,最高裁の判断でもありません。気になった場合には専門家に相談するのも一つの方法でしょう。

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