法律のいろは

不倫(不貞)行為の証拠として裁判で許容されないものはあるのでしょうか?

2016年4月7日 更新 

 離婚裁判や損害賠償請求の裁判で,不倫(不貞)行為が存在したかどうかが争いになることがあります。こうした裁判の場では,様々な不倫(不貞行為)が存在したのではないかという証拠が出されます。もちろん,そうではないことを基礎づける証拠や存在を疑わせる証拠も出てきます。こうした証拠が許容されない場合があるのかという点を取り上げます。                                                                    まず,刑事裁判と異なり民事裁判では,証拠としての提出への制限がはっきり書かれているわけではありません。言い換えると,基本的に何でも証拠となりうるという話になります。そうはいっても,色々な事情から証拠として許容することが著しく正義に反したり,事実の認定をゆがめることもありえます。こういった場合は例外的に許されない場合があると裁判例では考える傾向にあります。                                                                    それでは,どういった場合がそんなケースにあたるのでしょうか?不倫(不貞行為)をうかがわせるものの一つとして,二人の間でやり取りのされた手紙やメールが考えられます。もちろん,記載内容等によってうかがわせるものといえるのかどうかは大きく影響を受けます。                                                                     こうした手紙やメールは普通はその二人の間でやり取りをされるもので,封筒の中や携帯電話・パソコンなどの中に存在しているものです。何かしら取り出して紙・データをコピーしない限りは証拠化できないこともありうるところです。場合によっては,手紙などを盗み取ったのではないかが問題になることもありえるところです。                                                                     手紙ではありませんが,書類について裁判例があります。それは,本人尋問の中での反対尋問で配偶者が盗み取ったと考えられるノートに基づき尋問を行い,後でそのノートを提出するとした事柄が許容されなかった(証拠として不採用)ケースです。                                                                     メールについては,夫婦の共用のパソコン内に保管されていたメールを証拠提出したケースについて,大きな違法性はないと判断したケースがあります。一方で,夫婦の別居後に配偶者の携帯電話内にあったメールをコピーしたケースでは,一部のメールのみ抜き出した点をも含めて,証拠として許容できないと判断されたケースもあります。                                                                     どこが分かれ目になるのかは極めて重要な点ですが,この点はいずれ触れてみたいと思います。次回に続きます。
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