法律のいろは

仮眠時間や休憩時間は給料や残業が発生するものなのでしょうか?

2016年4月22日 更新 

 夜勤を伴う仕事であれば,仮眠時間があるでしょうし,長距離の移動などを伴う仕事でもこうした時間はあるでしょう。また,休憩時間はどういった仕事でもあるものです。こうした時間には給料が支払われるものなのでしょうか?

 ここでの問題点は,こうした時間が勤務時間に含まれるのかという点です。勤務時間であれば働いていれば給料が出るはずですし,合計して働いた時間が残業が出てくるようなものであれば,残業代が生じてくることになります。

 休憩や仮眠の時間は,基本的には休むための時間であって仕事をしないといけない時間とは異なります。そうであれば,勤務時間にはあたらないはずです。一方,こうした時間帯(特に仮眠時間)も仕事に備えていないといけないという事情があれば,実際には勤務時間と変わらないのではないかという懸念も起きてくるところです。

 こうした点について,裁判例では,職場の実情から見て,その時間に仕事からの解放が保障されていない場合には勤務時間であると判断しています。職場の実情から見て,仮眠時間や休憩時間に実際に仕事をする必要が皆無である場合等の事情があれば,仕事からの解放が保障されていると考えることができます。

 比較的最近に近い裁判例でも,警備員の仕事をしていた方の仮眠時間や休憩時間が勤務時間にあたるのかどうかが問題になったケースがあります。注意点は,これは一般論から見てどうかではなく,職場の実情が仮眠時間や休憩時間でも仕事をする必要が実際あったのかどうかなどケースごとに話が変わってくる点です。

 このケースでは,実際に仮眠時間や休憩時間に仕事をする必要があったことが極めて少なく,必要があった場合には特別必要な理由があっただけであると裁判所に認定されています。このことが,勤務時間とは言えないという判断において考慮されています。

 結局は,その職場ごとの仕事の実情によって変わってくる要素があると考えられます。自分の会社がどうであるかは,従業員の方のみならず会社側も注意することで余計なトラブルを減らすことができると思われます。休憩時間や仮眠時間がどのような意味を持つのか,きっちりとその時間が役割を果たしているのかは会社運営上も意味があるところでしょう。

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