法律のいろは

配偶者が自己破産をする場合に,私にも影響はあるのでしょうか?

2016年5月4日 更新 

 夫婦の生活費が足りないための借金,住宅ローン,収入が大幅に減った,遊びその他のお金の使い過ぎにより,夫婦のどちらかが借金の問題を抱えることがあるかもしれません。こうした場合に,支払いが到底難しい場合には自己破産を考えることがあるかもしれません。このことは,他方の配偶者に何か影響を及ぼすのでしょうか?

 

 まず,夫婦の生活費に関する負債は夫婦の連帯責任になるという話は以前しました。自己破産を考える場合には,この事を理由に,請求が債権者からくる可能性はあります。ただし,何が生活費に該当するのかは収入や年齢など様々な事情によって変わってきます。つまり,どこまでが連帯責任になるのかは夫婦によって変わってくる可能性があります。

 

 これよりも影響が大きい可能性があるのは,住宅ローン等で配偶者が保証人や連帯債務者になっている場合です。この場合には,銀行などの債権者は保証人に支払いを求めてきます。仮に,自己破産を申し立て型側が免責の許可によって借金の支払い義務を法律上許されたとしても,保証人等の支払い義務は残ることになります。

 

 この場合に,支払いが難しい場合には配偶者自身についても自己破産に限りはしませんが,借金整理を考える必要が出てくる場合もありえます。

 

 ちなみに,支払いが苦しくなったからといって,夫婦のうち自己破産を申し立てるか考えている方の名義の財産を配偶者名義に書き換える等した場合には,後でトラブルが起きる可能性があります。このことが詐害行為と法律上呼ばれる財産隠しにあたるとして,ペナルテイを受けるリスクが出てくるためです。このペナルテイは,自己破産を申し立て側には負債の支払い義務がなくならないかもしれないという形で出てきます。また,配偶者にはその財産の名義を戻すように等と言う請求がきて応じる必要がある場合も出てくるというものです。

 

 細かな法律上必要な事柄はありますが,ここでは単純化のために置いておきます。このように,配偶者の自己破産の申し立てが影響を与える場合も状況によっては出てきます。特に,破産を申し立てる配偶者の保証人になっている場合にはその影響は大きいケースは十分にあると思われます。

 

 ちなみに,借金を配偶者が抱えているから離婚をしたいと考えたとしても,配偶者が離婚に応じない場合には離婚裁判における離婚理由は当然には借金と自己破産だけではならない可能性がある点には注意が必要でしょう。あくまでも様々な事情から夫婦の修復が困難といえるかが重要な話となってきます。

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