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別居の際に,一方の配偶者が持ち出した預金その他の財産について,損害賠償請求ができるのでしょうか?

2016年6月13日 更新 

 別居をする際に,出て行った側が他方名義の財産を持ち出す・別居の前から生活費などを入れていた通帳から多くのお金が無くなっているということは,ケースによっては想定されるところです。こうした場合に,多くは離婚に至る可能性もあって,その中で話をするということになるかと思われます。それとは別に,こうした持ち出された財産について,損害賠償請求などは認められるのでしょうか?

 

 結論から言えば,裁判例は否定的な傾向にあるように思われます。通常は財産分与の中での清算を予定するためです。もちろん,財産分与での清算が予定される以上のものを持ち出す場合には違った考慮が必要になるでしょう。たとえば,他に財産がない場合に,夫婦のお金が入っていた口座からほぼすべてのお金を持ち出されてきたというような場合です。

 

 裁判例の中には,こうした点を踏まえて,財産分与で生産をするという範疇を超えた財産の持ち出しや不当な目的の下での財産の持ち出しがあった場合に,損害賠償を支払う義務が出てくると判断したものがあります。問題となったケースでは,配偶者の一方の財産持ち出しにより被った損害等の請求を求めたものであり,損害賠償を支払う義務があるのかが争点になったものです。

 

 ここでは,持ち出しが不法行為になる場合として,先ほどの逸脱した持ち出しといえるか・不当な目的に基づく持ち出しといえるかを考えています。結論としては,そういったことは認められないと判断しています。このほかに,反論として,親から財産を譲り受けたもので特融財産だから持ち出しても問題ないということが主張されています。この点は判断では否定されています。

 あくまでも,夫婦共有財産からの持ち出ししすぎが問題になりますので,自分の特有財産だからいくら持ち出しても持ち出しすぎはないというのも一つの反論ポイントにはなりえます。

 

 実際には多くのケースで,持ち出ししすぎをもって財産分与の先渡しに当たるのかなどが争点になる(離婚調停や離婚裁判,協議離婚でも問題にはなりえます)ことになろうかと思われます。そのため,特に持ち出しだけを問題にするケースはそこまではないと考えられます。

 財産分与の場でも,先渡しかどうかは使った目的が何であるのかなどが問題になることが多いと思われますので,大きく争う場合には事実面がかなり細かく問題になってきます。少なくとも,以前も触れましたが,財産分与以外の場での請求には大きな制約がかかる点には注意が必要でしょう。

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