法律のいろは

子連れで再婚後、その子を養子にした者と離婚するとき(その③)

2016年7月16日 更新 

 前回は,再婚相手との子供を離婚に当たって離縁する際の手続きの話などをしました。今回はその続きです。繰り返しになりますが,離縁についても離婚と同じように話し合いで進めることができますし,難しい場合には家庭裁判所での話し合いも可能です。この場合には,家庭裁判所に調停を申し立てることになります。離婚調停とともに申し立てることは可能です。

 

 家庭裁判所での調停手続きも基本的に話し合いになります。話し合いが難しい場合には裁判での解決を考えることになりますが,法律上離縁ができる理由は定められています。その中身は離婚の場合と近い点もありますが,一番は養子縁組を継続しがたい重大な事由があるといえるかどうかです。このほかに,「悪意の遺棄」と呼ばれるものや養親・養子の3年以上の生死不明という事柄もありますが,あまり問題になることはないと思われます。

 

 ここでいう養子縁組を継続しがたい重大な事由があると評価できる事実関係があるかどうかが問題となります。長年疎遠で相手がどこで・どのような生活をしているか全くわからないような場合には,あまり問題にならないかもしれません。この場合には,こうした事情があると通常考えられるためです。話し合いがつかない場合には,様々な事実関係からこうした事情があるといえるかどうかが問題となります。

 

 養親・養子の間で暴力行為や罵倒等の暴言が長年存在し多様なケースでは,双方の中に存在するであろう不仲も相まって養親・養子の関係を維持することが極めて難しいということができるでしょう。これに対して,養親と養子が単に別々に生活をしているというだけでは,養親・養子の関係を維持することが難しいとは単純には言えません。養子が成人したような後には生活の場は別々にして,正月や盆ころに帰省する等の関係が中心である等,普段別々に生活しているけれども親子の関係が維持されている場合も十分に考えられます。全く長年交流がない等先ほど挙げたケースに近い事情があれば変わってくるでしょう。

 

 このほか,お金等で長年トラブルが養親・養子の間に存在していたというなケースやそのトラブルの程度が大きいケースなどでは,養子と養親の関係の維持が極めて難しいということができるでしょう。先ほど挙げた場合も含めて,ケースバイケースの話にはなってきます。

 養子縁組の関係を維持しがたい原因を作った方からの離縁請求が認められるかどうかは問題になる点ですが,基本的にはそう簡単には認められません。

 

 こう言った点も離縁の話が進みにくい場合にはどうだろうかをよく考えた方がいい場合もあるでしょう。

 

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