法律のいろは

夫(男性)側から離婚を切り出す際に問題になりそうな事柄(その②)

2017年3月7日 更新 

  前回,男性側(夫側)から離婚を切り出す際に問題になりそうなことと言うことで,主に若い層(定年退職が間近・子供が成人したというケース以外)の方の話を触れました。そこでは,子供への影響の話・相手方(妻側)が乗り気ではない際の話を触れました。今回はその続きになります。

 

 妻側が乗り気でない場合に問題になる他の点として住宅ローンの問題があります。別居という形を選んだ場合,夫あるいは妻側のどちらかが家を出るケースが多くなります。その際に,夫側が住宅ローンを支払っている(一つのローンの場合もあれば,妻と別々にローンを組んでいるケースもありえます)ことを前提にした場合に,このローン負担の問題が出てきます。

 夫が引き続きその家に住んでいる場合には一方で家賃を支払わずにいるという点がありますが,夫側が家を出たケースでは自らの家賃に加えて住宅ローンを支払うということで大きな問題が出かねません、もちろん,夫側が実家に戻るなどのケースもあるかと思いますが,ここでは別に家を借りたというケースを前提にします。

 相手方が離婚に対して積極的ではない場合には,前回の話でも触れましたように,毎月の生活費(婚姻費用)の支払いを求められるケースが多くなるでしょう。その際に,家賃と住宅ローンを支払っているからその金額をすべて差し引いてほしいという気持ちが出てくるところですが,調停の場においてはそう簡単にはいかない点がありますので,注意が必要です。

 

 この話自体は別のコラムでも触れました家賃相当分(住居費)を相手が負担しない場合に,その部分を生活費(婚姻費用)から差し引いてほしいという話になります。そこでも触れましたように,現状は算定表の枠内(2万円程度の範囲)の考慮・統計資料での住居費用の考慮という話になるケースが多く,当然に二重負担分を考慮してくれるわけではありません。ちなみに,夫婦の双方が住宅ローンを別に組んでいる(対象は同じ家)場合には,妻側もある程度は家に住むための負担をしていることにはなりますので,ここでいう差し引きの話にはこうした点の考慮も必要にはなってきます。

 前回,「条件面」での話を考える必要が出てくるかもしれないという話をしましたが,まさしくこうした点も問題の長期化とともに影響が出てきますので,考えていく必要が出てきます。当然,長期化すればするほど,こうしたお金の負担がのしかかってくるためです。

 

 ちなみに,今までの話と違って,妻側も離婚自体には応じる方向である場合に,持ち家があれば別の問題が出てきます。それは住宅ローンがある場合には面倒な問題となってきますが,次回に触れたいと思います。

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