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亡くなった親と同居していた兄弟が親の自宅に住んでいます。明け渡しなどの請求はできないのでしょうか?

2019年6月1日 更新 

 タイトルのようなケースでは,仮にご自身に自宅を相続させるという内容の遺言がある場合はともかくとして,そうでない場合には明け渡しの請求は難しいということになります。同居している兄弟に相続させるという内容の遺言は十分に作成される可能性はありますが,この場合には,遺留分減殺請求がない限りは完全にその兄弟の所有になりますし,仮に遺留分減殺請求をしたとしても共有(今後共有ではなくお金での清算になります)ですから,明け渡しを求めることはできません。

 共有になる場合には,遺言がない場合も考えられます。この場合には相続分に応じてご兄弟での共有(親御さんが二人ともなくなっていることが前提です)になります。共有になった場合には,それぞれの持分に基づいて,その不動産を使う権利を持つことになりま。そのため,各自が全てを使う権利を持つ以上出ていってほしいという話は難しくなります。

 そのため,結論として,こうしたケースでは明け渡しの請求が難しい場合が出てきます。

 

 そうした場合でも,共有に基づいて全員が利用できるはずなので,現在住んでいる方以外の使う権利は侵害されていることになります。この場合には侵害されている割合(相続分になります)に応じて,家賃相当のお金(ここをいくらにするのかという問題もあります)を請求できるのが原則になります。

 しかし,このケースのように親と生前から同居をしてきた兄弟の場合には,こうした共有で通常考えるのとは異なる点を考慮する必要も出てきます。それは,こうした場合には,その兄弟が親の面倒を見るなりして家賃なしで済んでいる場合も十分あるためです。このようなケースで,最高裁の判断で家賃相当額の支払い義務を負わないとした判断があります。

 その理由として,こうした場合には所有者であった親とその兄弟には無料で家に住む合意(使用貸借の合意)があるものと評価され,その合意は原則として,その親が亡くなった後の遺産の取り決め(遺産分割の話がつく)までの話である=遺産分割まで無料で済むという同意があるものと想定されるからとされているためです。もちろん,このように評価できない特別な事情があれば話は別ですが,このような場合に特別な事情はそうはないでしょうから,ここでいう原則の形で考え,話がつくまでは家賃相当額(厳密にはご自身の相続分に応じたもの)の請求もできない可能性が十分ありますので,注意が必要でしょう。

 

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