法律のいろは

妻との間に生まれた子どもが,実は自分の子どもでなかった場合の対応は何かあるのでしょうか(その②)?

2013年9月10日 更新 

 前回も触れましたように,タイトルは男性目線のものですが,女性側からも同じような考えは出てくるとこかと思われます。前回は,嫡出推定制度というものに触れました。

 

 前回,結婚をした後200日以内に生まれた子供は,嫡出子と法律上推定はされませんけれども,届け出れば嫡出子として扱われるという話をしました。ここでいう法律上嫡出子として推定されないことが,嫡出が推定される場合の親子関係を否定する手段との間に大きな違いをもたらすことになります。その話は,これから触れていきたいと思います。

 

 同じく前回,離婚をした後300日以内に生まれた子供が,離婚前の夫の子供と推定されるという話をしました。そうしますと,そのあと別の男性が父親でかつ再婚しようと思う女性にとっては,不都合が生じます。というのも,後で触れますように,嫡出子と法律上推定される場合には,原則として期間も厳しく制限された嫡出否認の訴え(原則離婚前の夫しか起こせない)という方法しか親子(父子)関係を否定できないからです。

 こうしたことから,現在では一部については,柔軟な扱いがなされています。戸籍の受け付けの取り扱いでは,「離婚後に子どもを妊娠したこと」が医学的に証明されるときは,「結婚中に妊娠した」ことにならないため,離婚前の夫が父親にならない出生届けをすることができます。こうした出生届をする場合は,医師の証明書(様式は決められています)をも一緒に提出する必要があります。ちなみに,こう扱うのは,法律上は,夫婦は貞操義務(簡単に言えば不倫・不貞をしない義務)をおう事を前提に(不倫や不貞がない前提),嫡出推定制度が法律上定められているからです。

 つまり,こうした場合以外は,原則として嫡出否認の訴えという方法によることになります。原則に対する例外の話や面倒な点についてどうなっているのかは,後に触れていきたいと思います。先ほどの戸籍での取り扱いは,実際上は早産の子供についての取り扱いを決めたものだと考えていただければ,問題ないかと思われます。

 

 ところで,嫡出推定制度にもとづく無戸籍児の問題というものが取り上げられることがあります。まず,どのような話しなのかについて簡単に触れておきます。この問題が生じるのは,離婚後300日以内に生まれた子供の場合です。

 子供が生まれた場合,出生届を出せば,戸籍に子供が載ります。戸籍では,法律上の親子関係を示すものなので,子供の親となるべきは離婚前の夫婦ということになります。こうした事態を避けるための方法は裁判手続きもあるのですが,裁判手続きをとらない・裁判手続き中であるから,子供の出生届を出さないことによって,子供の戸籍が存在しないというものです。

 

 次回に続きます。

 

 

 

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