離婚を決意して自宅を出たものの、相手の留守を狙ってとりあえずのものだけ持って出たので、相手が留守のうちに自宅に取りに行きたいという場合があります。
これは住居侵入罪についてどのように保護されている利益(「保護法益」といいます)を考えるかをめぐっての難しい問題があります。住居に誰を立ち入らせるかの自由と考えるのが一般ですので、その考え方によれば、相手名義の住居で、相手が現に居住しているのであれば、出て行った者が勝手に立ち入るとなると、住居侵入になりうることになります。すでに別居しているのであれば、住居侵入にあたりうることになるでしょう。
また、現実的にみても、相手が留守の間に入ったということがわかると、相手から自分の物が勝手に持って行かれたなどと難癖をつけられる可能性があります。それが新たな火種にもなりかねません。
もちろん、必要な荷物に限り持って行くため入ったというのであれば、正当な理由がある立ち入りとなりうるので、実際のところ警察が住居侵入で動くことは考えにくいですし、慰謝料の問題になるとも思われません。
いずれにせよ、自宅を出る際にはできるだけ必要なものは持って出るようにした方が無難でしょう。
また、身体的なDVがあるケースであれば、保護命令のうち退去命令を出してもらい、一時的に加害者を退去させてその間に荷物を取りに行くという方法も考えられます。可能であればこういった退去命令の制度を利用するのがよいでしょう。
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