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遺言が有効か無効かを争える時期とは?

2016年1月4日 更新 

 遺言が有効かどうかは通常,遺言をした方がくなってから問題になります。ただ,有効かどうかは撤回したのかどうか・作成された時点で,遺言をできると法律上評価できる状況にあったのか等が争点となります。それでは,遺言をしたからがまだ生きている場合に,こうした遺言の効力を争うことができるのでしょうか?

 この点については,最高裁の裁判例があります。結論から言えば,争うことはできません。そもそも,以前触れましたように,遺言をした方は自由に生前は撤回できるのですから,撤回の可能性が十分あるものの有効性を争うこと自体意味はないはずのものです。ただし,最高裁の先ほど触れた裁判例のケースのように,遺言をした方が病気などで判断能力が大きく衰えた場合(特に後見開始の審判を家庭裁判所から受ける状況)に作成された遺言書については,撤回の可能性が事実上見込まれないので,そんなことはないのではないかと考えてしまうところになります。

 ちなみに,最高裁で問題となったケースでは,遺言をした方が遺言書を作成した後で現在でいうところの成年後見を開始されたというケースです。最高裁で,高裁の判断が覆されています。高裁では,先ほど触れた撤回の可能性が事実上見込まれないのが明らかな場合には,成年でも無効の確認を求めることができると判断をしています。

 これに対して,最高裁は,遺言によって財産などを受けられる方は,遺言の効力が発生することでそれらのものを得られる⇒法律上の権利や義務が生じるのだから,遺言の効力が生じる前は何かしら裁判で救済を求めることはできない,と述べています。撤回の可能性があるかどうかではなく,遺言の効力が発生する前に,何かしら裁判を受けることがそもそもできるのかという事に着目しています。

 このため,遺言が有効か無効かが裁判で問題となるのは,遺言をした方が亡くなってからになります。もっとも,死後に相続紛争が発生することが予測されるケースですので,こうした将来の紛争に備えておくことは重要なように思われます。

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