法律のいろは個人様のご相談

 養子縁組が無効になる場合について,近年の裁判例の話や無効になった場合の影響をこれまで触れてきました。今回はその補足の話に触れたいと思います。

 

 前々回に触れましたように,養子縁組をした際に縁組をする意思があったといえるのかどうかが問題になることが多いように思われます。相続が問題になるケースであれば,養親となる方の健康状況や認識状況からみて,そうした養子縁組をする意思があったと法律的に評価できるのかどうかという話になります。

 

 そういう意思があったといえるかどうかは,縁組をする動機があったのかどうか等様々な点を踏まえての話になりますが,この証拠があれば決まるという単純なものではありません。多くの状況証拠から見てどのようなことが言えるのだろうかという話が多いでしょう。前回触れた裁判例においては,養子縁組届けに養親となる高齢の方の署名などがあったのかどうかが問題になっていました。

 

 養親本人が署名していないことは本人の意思に基づいていないかもしれない根拠の一つになるかもしれませんが,裁判例上,第3者が代筆して本人が承諾していれば,本人の意思に基づくものと評価されます。そのため,養親本人の署名があったかどうかだけで決定的な縁組意思がなかったということになるとは限りません。あくまでも,当時の本人の健康状態や動機・署名をしたとされる時期の出来事などの他の事情から,縁組をする意思があったといえるか・承諾をしたといえるのかどうかが重要な事柄になってくると思われます。

 

 別の機会に承諾したとはいいがたい場合には署名がないことは意味はありますが,どの場合に・何が・どのような意味を持つのかはケースごとの事情により異なってくるといえます。そのため,これがあったから大丈夫という単純な話ではなく,場合によっては専門家に相談をした方がいいでしょう。

 本人の署名であるかどうかは記載事項の証明書を取り寄せて,本人の筆跡であるのかどうかという調査をする方法があります。ただ,先ほどの話にもあるように,ケースごとで様々重要なポイントは変わる点には注意が必要です。

 

 こうした高齢の方が養子縁組をしたケースではそこまでないでしょうが,裁判例上は,当初養親本人の意思に反した養子縁組届がなされていても,後で同意をした場合には養子縁組は有効になるとされています。そのため,こういった言い分が養子縁組を有効という方から出てきた場合には,その根拠となる事情や証拠があるのかどうかという吟味が重要になってきます。

お問い合わせフォーム

早くから弁護士のサポートを得ることで、解決できることがたくさんあります。
後悔しないためにも、1人で悩まず、お気軽にご相談下さい。誠実に対応させていただきます。

広島市南区的場町1-2-16
グリーンタワー5F
TEL:082-569-7525
FAX:082-569-7526

アクセス

勁草(けいそう)法律事務所

Copyright © 2001- KEISO Law Firm. All Rights Reserved.