法律のいろは

離婚後の養育費(その22)

2013年11月30日 更新 

 離婚後の養育費の金額を考える上で算定表に関しては以前に触れました。自営業をしている人と勤めていて給料をもらっている人で収入については別に考えることも触れたかと思われます(詳このシリーズの⑦とか⑧あたりで詳しく触れています)。それでは,サラリーマンで給料はもらっているけれども,副業をしていて自営業といえる収入がある場合にはどう考えればいいのかが問題となってきます。

 

 こういったケースで問題となるのは,給料と言える部分と自営業なので事業所得等と言える部分があるために,養育費を算定するための物差しとなる収入部分に異なったものが含まれていることが理由です。この場合に,どう考えるのかはいくつか考え方があり得ます。ただ,一番簡単なのは給料・事業所得等に一本化して考えることです。

 

 ひとつ例を挙げて考えてみます。養育費を払う側が会社勤めをして年収1000万円・副業で年収401万円を得ているとします。簡単にするために,養育費をもらう方は収入が0円とします。ちなみに,子供は8歳の子供一人とします。

 この場合,まず年収を給与所得の側に一本化してみることを考えます。会社勤めの年収1000万円は給料なのでそのままです。副業の年収401万円は算定表上は,給与所得の年収550万円と同等です。そのため,このケースでは合計した1550万円の年収を養育費を支払う側が給料でもらっているのだと考えて,支払うべき養育費の金額を算定することが算定表上はできます。ちなみに,算定表上は厳密な計算式と異なり幅が出てきます。ここでは月14万円から16万円の幅の真ん中近くになります。

 次に,事業所得等に一本化して考えてみます。この場合,副業の401万円は事業所得等にあたるのでそのままです。これに対し,給料の1000万円は,事業所得等に対応させてみると,701万円に当たります。そのため,事業所得等に一本化してみると,合計である1102万円で算定表上養育費の金額を考えていくことになります。厳密には算定表上は事業所得等1102万円と給料1550万円にはわずかな差が出るのですが,このようにして算定表で養育費の金額を考えていく際には,一本化してみるというのが単純化したやり方とは言えます。

 

 最近は副業が会社員でも認められるケースはあります。こうした中で養育費の金額を算定する際には注意すべき点が,以上のようにあります。

 次回に続きます。

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