法律のいろは

婚姻費用と養育費(算定表に載っていない場合は?)その①

2014年3月7日 更新 

 婚姻費用(生活費)や養育費の金額がいくらかになるのかという点は,これまで算定表やその前提となる算定式について,これまで何度か触れてきました。最近はインターネット上も,算定表と同じ内容のものが載っていることもあり,その内容を知ろうと思えば,そこまでは難しくないことかもしれません。

 それでは,こうした婚姻費用や養育費の算定表はすべての場合を網羅されているのでしょうか?答えは網羅されていません。養育費の算定表を例にとると,子供が3人までのケースしか載っていません。また,その子供は全て特定の親が養育監護している場合だけです。そして,養育費を支払う側・もらう側ともに,収入の上限があります。給与収入を例にとると,養育費を払う側で年収2000万円までとなっています。

 

 もちろん,子供が4人以上というご家庭は今は少ないかもしれませんし,子供を各親ごとで別々に育てる例も少数派かもしれません。まじて,勤務で給与が年2000万円を超える方は相当少ないということも考えられます。ただ,算定表も計算式から導かれるものを,計算を省略してわかりやすくまとめたものですから限界は出てきます。このほか,養育費を支払う側が再婚することで算定表に現れていない事情が出てくれば(たとえば,再婚相手との間で子供が生まれたケース),以前のまま算定表で考えることはできなくなります。

 

 それでは,算定表では対応できないケースについては養育費や婚姻費用はどうやって金額を出していくのでしょうか?いくつか例を挙げて考えてみたいと思います。

 ①12歳と10歳の子供がいて,それぞれ夫と妻が別々に養育監護しているケース

 ここでは,夫の収入が年500万円・妻が100万円でいずれも給料という話を前提に考えていきたいと思います。

 以前触れたように,この場合は算定式から直接計算していくことになります。ただ,この場合は夫の年収が妻の方よりも多いため,全体としては夫の支払う額が多くなります。そのため,夫が支払うべき金額から妻が支払うべき金額を引いた金額を,夫は支払うことになります。

 計算式は細かく言うと結構煩雑ですが,子供の生活費を計算してそのうえで両親の基礎収入とを計算して結論を出すことになります。今出てきた基礎収入とは,親のそれぞれの収入から税金や経費等を引いたものということができます。

 この説明は結構面倒な点がありますので,計算式を含めて次回にある程度まとめて触れてみたいと思います。次回に続きます。

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