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未収金(売掛金や貸金等)はいつまでも請求できるのでしょうか(消滅時効その⑥)?

2014年5月14日 更新 

 支払いをもめられるときから,一定の期間が経過して対抗措置を取らなければ,折角のお金が請求できなくなるかもしれない(厳密には,請求しても法律的には認められないかもしれない)という話を何度か触れました。売掛金や貸金だけでなく,交通事故における損害賠償請求や不倫をされたなどの場合の慰謝料についてもあてはまることです。

 対抗措置としては,主に3つあることは前回までに触れました。

 ①広い意味での裁判上の請求(簡単に言えば訴える事ですが,厳密にはいくつか種類があります)

 ②差押え(仮差押え・仮処分)

 ③承認

 

 このうち,③と①についてはある程度触れました。前回は,催告と呼ばれる裁判等ではない請求での限界の話をしました。この話は,昨年出た最高裁の判決で鮮明になったものです。今回は,この判決について触れておきます。

 

 実際のケースは,ある方の遺言執行者(大ざっぱにいうと遺言で書かれた内容を実現する方です)が,亡くなった方の未収金を支払ってもらうために時効にかかる3か月前に内容証明郵便を送り,支払いを求めました(これが催告にあたります)。その後,内容証明郵便が相手についてから6か月以内に,請求した金額のうち一部分を支払うように求めました。

 少し分かり難いのですが,請求額が多額だったので,一部分の支払いを求めたものです。簡単な例に代えると,1000万円支払うべき義務があるけれども,とりあえずそのうち100万円を支払うよう裁判を起こすことです。実際のケースは少し複雑なのですが,簡単にするために,その裁判で請求が認められた後に,残りの支払いを求めたのが問題の裁判になります。先ほどの例に従えば,残りの900万円を支払えと裁判を起こしたことになります。

 

 こうしたことをするのは,いくつか理由がありますが,一つには裁判にかかる費用を節約してお試しで勝ち目があるかどうかを確かめるというものもあります。

 

 この裁判では一見すると,催告してから6か月以内に裁判を起こしているのだから問題がないという風に思えなくもありません。ただし,裁判例上,請求しているのはあくまでも一部分だから,その一部分しか時効をリセットする効果はないと以前から判断されていました。

 こうなると,残りの部分(先ほどの例では900万円)は時効にかかってしまうという問題が出てきます。これに対しては,残りの900万円部分を含めた全体請求できることは示しているはずということもできます。裁判所の判断は,一部こうした考え方にも配慮して,

 ①あくまでも裁判等で請求しているものは,現に裁判等を起こしている一部分(先ほどの例だと100万円)

 ⇒時効をリセットする効果はその一部分のみ(先ほどの例だと100万円)

 ②ただし,一応残りの部分も請求をしているにはしているので,「催告」として扱う

  注意すべきは,裁判が終わるまでずっと「催告」しているので,裁判が終わってから6か月以内に別に裁判等をすれば,時効 をリセットできると判断しています。

 

 こうなると,先ほどの例でも900万円部分は裁判が終わってから再度裁判等をすればいいうようにも思えます。ここで,

 ③「催告」は二度はできない

 ことを述べて,時効にかかっているからということで,相手が時効を主張しましたので,時効を認めています。

 

 少し長くなりましたので,次回補足します。

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