法律のいろは

相手方が年金分割の按分割合について0.5未満なら離婚に応じるといった場合は?

2014年7月6日 更新 

 年金分割についてはこれまで何度か触れてきました。今回のテーマについても以前お話ししたことがありますが、少し補足を含めて取り上げたいと思います。

 年金分割の按分割合については、夫婦で話合いで決めることができるため、このケースのように、相手方が年金分割の按分割合が低ければ、離婚自体に応じてよいといっていて、申し立てた側も早めに離婚で話を進めたいという場合には、合意も可能です。

 また、相手方が慰謝料を支払うので、按分割合を0.5未満にしてほしいと言ってきた場合でも、支払を受ける慰謝料の額とのバランスからみて按分割合を0.5未満とすることに納得できるとき、あるいはまとまったお金を先に受け取りたいという希望があるのであれば、そのような合意でも可能です。

 ただ、これまでも度々お話ししましたように、年金分割は特にこれまで就労したことがない、あるいは就労していたとしても短い期間であるため、高齢で働くこともできない配偶者の、今後の生活における不均衡をなくすために設けられた制度です。ですから、年金分割制度を踏まえて合意をしなければ、せっかくの年金分割の制度が意味をなさないことになります。

 ここ最近では、平均寿命が延びてきているため、長期的にみると、年金分割の按分割合が0.5以上か、それより少ないかにより、受け取れる総額が大きくことなってきうるところです。とくに慰謝料の支払いとの代わりに、となってくると話をつけたときはさほどバランスを欠くとは言えない金額だったとしても、長期的にみてよく考えると、全体としてみると金額がかなり少なくなるというケースもありうるでしょう。

 ある程度以上先のことをみて考えずに、早急に離婚で話がつく方で進めてしまい、あとで後悔することがないよう、慎重に考えて合意することが大事でしょう。

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