法律のいろは

離婚の際の財産分与(住宅の評価の関連)

2015年1月22日 更新 

 離婚の際の財産分与において,持ち家があった場合の問題はこれまで何度か触れてきました。主にはオーバーローン(住宅の評価額が住宅ローンの額を下回ること)に関する問題やローンが残っている際のそのほかの問題をこれまで何度か取り上げました。今回は,ここでいうところの住宅の評価額に関する話を取り上げたいと思います。

 不動産の評価をする専門家[国家資格)というと不動産鑑定士の方がいます。その他住宅の価格を出してくれるというと不動産業者の方がいます。こうした一般的にみて,住宅の評価をしてくれるのではないかと思われるか対いる中で,何がどういう意味を持つのかは気になるところです。

 今あげた中で一番正確なのは,不動産鑑定士の方による鑑定です。これは,不動産鑑定士の方の業務が,「鑑定」という住宅などの価値の評価を法律上独占業務として行える点に基づくものでもありますが,プロとして正確な知識などに基づくもので,極めて信頼性の高いものであることに基づくものです。ただし,価格の評価のプロが行うものであるため,費用がそれなりにかかります。

 これに対し,不動産業者が行う住宅の「価格査定」は,あくまでも売買の仲介を行うにあたり,参考価格として提示されるものです。売却を行うにあたっての不動産業者の意見としての意味合いを持つものです。もちろん,一定程度の信用性は持ちますが,業者によってばらつきが出る印象が筆者にはあります。メリットとして,無料であるという点が挙げられます。

 住宅の価格は,オーバーローンか否かの判断をする際や実際の取り分を考える際には,大きな意味を持つ時もあります。そのため,金額が正確かという事で夫婦双方が「価格査定」をとってみると,それぞれ金額に差が出る場合があります。その際中間額を基準に財産分与を考えるという方法も考えられますが,話し合いによる場合にはお互いの了解が必要になります。

 不動産の鑑定と価格査定では,正確さが上回る不動産鑑定の方が信用力が高いという面が挙げられますが,状況によって費用面の問題が出てくることもありえます。こうしたそれぞれの特徴を踏まえながら,価格がどれだけなのかを考えていくことになります。

メールフォームもしくはお電話で、お問い合わせ・相談日時の予約をお願いします

早くから弁護士のサポートを得ることで、解決できることがたくさんあります。後悔しないためにも、1人で悩まず、お気軽にご相談下さい。誠実に対応させていただきます。