法律のいろは

養育費はいらないので面会交流したくないといえるのでしょうか?

2015年2月5日 更新 

 以前、面会交流について触れたコラムで、養育費と面会交流のことについて書いたことがあります。

 そのとき、面会交流と養育費については別物であるというお話をしました。面会交流は、子どもをみていない親と子どもとの親子としての交流の問題であり、一方の親と子どもがどういうかたちで会うかについてのものです。

 他方、養育費は子どもをみていない親の子どもに対する扶養義務から生じるもので、両親の経済状況、生活状況などを考慮して決めるものです。

 ですから、面会交流と養育費とは決して連動している訳ではないのですが、現実には、子どもをみていない親は養育費を支払っているのだから、子どもに会わせてもらいたいと思うことが一般です。そのため、子どもに会わせたくないという親は、それなら、養育費はいらないから…と今回の表題のような話になってくるのです。

 特に相手方にいわゆる精神的な暴力を含めたDVがあり、しかも子どもが小さい場合は、面会交流をする上で子どもを現にみている親の協力が不可欠です。ですから、子どもと相手方の面会交流をするとなると、どうしても親同士の接点が出てくるのを精神的に負担に感じ、子どもをみている親は、いっそのこと養育費はいらないから、面会交流もしたくないという話になってくることがあります。

 ただ、仮に相手方がそれでも子どもに会いたいと面会交流の申立をしたとき、最近の家庭裁判所の面会交流の進め方をみると、単に両親の間の衝突が激しいといった理由だけでは面会交流を拒否できる正当な理由があるとされるのは困難です。現にこれまでの言動から、相手方が子どもを虐待する可能性が高いといった限られたケース以外では、面会交流をできるだけ実現させようという方向に働きかけてきます。
 
 ですから、仮に養育費を受け取っていないとしても、相手方が面会交流の調停を申立てきたときには、対応をせざるをえなくなってきます。

 次回に続きます。

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