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セクハラと懲戒処分に関する裁判例(その②)

2015年3月11日 更新 

 先日出た最高裁のでのセクハラと懲戒処分についての裁判例について,前回は問題となったケースの紹介を行いました。そこでは問題となった行為がセクハラに当たるのか・セクハラに当たるとして,降格につながる出勤停止という内容の懲戒処分をすることが有効かどうかが問題となっていました。今回は,続きとして,懲戒処分の有効性についての前提となる話しをします。

 会社側が従業員の方に懲戒処分を行うには,その根拠となる事由・事由があるとしてどのような処分がなされうるのかを就業規則に定めてある必要があります。就業規則に書いていないことを理由に処分をすることはできないことになります。また,たとえば,セクハラに該当する行為があった場合は出勤停止あるいは解雇にするという定めがあった場合に,より小さな譴責処分(注意)ができるかというと,自由と処分の組み合わせが定められていない形になりますので,こうした処分もすることはできません。

 それでは,機械的に当てはまる事由ああったら,該当する処分のうち重いものを下せるかというとそうではありません。どういった事情をどのように考慮するかは,該当する事項(職務に関係する犯罪あるいは非違行為か等)によって考慮が異なるところがあります。この点は再度触れてみたいと思います。
 また,該当する従業員の方に関する様々な事情やその他の事項をも考慮して,不当に重くない相当な処分である必要があります。また,特定の方だけ軽い・重い処分を下すこともできません。このほか,就業規則で該当する従業員の弁明の機会(言い分を聞く)を要求している場合には,こうした手続きを経ている必要があります。ちなみに,要求されていない場合には,直ちに処分が有効かには影響しないという裁判例があります。

 では,セクハラの場合はどうなのだろうかという点に触れたいと思います。前回,裁判例で問題となった言動について触れましたが,たとえば,犯罪になる強制わいせつや強姦のような話から,性的な言動をする・従わないと不利益に扱うような意向のもと執拗に食事に誘う・「おばさん」等という等様々なレベルが考えられます。これは言動の内容ですが,頻度など様々な要素によって話が変わってくる点があります。言動の内容が重い内容であれば,当然頻度が少なくとも定められた中で大きな処分につながりますし,内容が軽い内容であれば他の事情(頻度その他)を考慮して処分を考えていくことになります。処分が重すぎるか否かは,こうした諸事情の考慮から重すぎるか否かが問題となっていく点で,今回問題となったケースも前回の内容からすれば,犯罪に該当するとまでは言えないために,比較的重い処分である出勤停止処分にすることが有効かどうかが問題となったものと考えられます。

 次回に続きます。

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