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法律上の親子関係と離婚後の養育費

2015年3月16日 更新 

 以前,法律上の親子関係について,嫡出推定制度について紹介しました。簡単におさらいすると,結婚してから200日経過後・離婚してから300日以内に生まれた子供は結婚している親の子供と法律上推定する・推定を否定するには,嫡出否認の訴えという非常に制限の強い裁判によるしかないという話です。DNA鑑定などで生物学上親子関係がないのであれば,養育費を払うのはおかしい・払っている場合には後で返してほしいという考えも出てくるかもしれません。果たしてそのように言えるのかを簡単に触れていきたいと思います。

 まず,扶養義務は法律上親子関係ありとされることで,親子間などで生じるものですから,生物学上の親子関係と関係なく,法律上親子関係があるという扱いを受ければ生じてくるものです。ですから,法律上親子関係がある限りは,扶養義務により生じる養育費の支払い義務(親権がある親への支払い)は生じることになります。
 という事になると,当然,養育費を支払った後に生物学上親子関係がないことが分かった場合にも,支払った養育費相当額の返還を支払い相手である親権を持った親に求めるのも難しくなってきます。こうした請求が認められなかった裁判例をひとつ紹介したいと思います。問題となったケースは長くなるので簡略化していうと,婚姻直後から妻側に不貞があり,不貞相手の子供を妊娠したものの,夫の実子として養育がなされたものの後でそのことが判明し離婚に至ったという離婚裁判があったというものです。ちなみに,夫と子供の親子関係は親子関係不存在確認訴訟という形で,存在しないことがその後確定しています。これらの裁判までに子供は成人に達しています。
 夫側は,離婚裁判で慰謝料請求(離婚に伴うものと考えられます)をみとめられた後に,同様の事実と思われる事柄についての慰藉料請求と支払った養育費の返還(あるいは損害賠償請求)を求めたのが問題となった裁判です。裁判所は,婚姻中の婚姻費用負担義務の一部として負担したものであること・損害賠償請求については離婚裁判での慰謝料支払いで支払ったものと判断して,妻側への請求を認めていません。ちなみに,この裁判の控訴審判決の中には,夫側が子供に対して投じた養育費を是正しないといけない法律の規範はないと述べていますが,この捉え方が一つの意味を持ってくるかと思われます。

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