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売掛金の回収について(その②)

2015年3月21日 更新 

 だいぶ以前に売掛金の回収の話について触れましたが,その続きです。前回は,売掛金等の回収について保証人を取っておくこと,そのための保証契約について少し触れました。少しおさらいをしつつ,進めていきます。

 まず,平成17年の法律改正で,保証契約(債権を持った方と保証人の方との契約です)は,書面でする必要があると定められるようになりました。そのため,保証人の方の署名や押印を求められるのが色々な契約の場面で見受けられることになります。本人の筆跡であったのかが争われるケースはありますが,他人が記載した場合にはどうなるのかがここでの問題です。印鑑については,通常実印(印鑑登録された印鑑)を要求するでしょうから,ここでの問題は主には他人が記載した場合についてを取り上げます。

 全くの他人が保証人とされる方の承諾もなく実印を持ち出しただけであれば,保証契約がその方との間では成立しません。保証人とされる方が真摯に承諾したこと(その確認を取っておくことは当然必要です)があれば,つまり本人の代理人として行動することが示され・実際に本人も承諾していれば,保証契約は保証人とされる方との間で成立することになります。

 問題はどこまでの承諾が必要かという点です。こうした点が問題になった裁判例を紹介します。問題になったケースでは,リース料金の保証契約について,一応保証人とされる方の印鑑が押されてはいるものの,その方は署名はしていないし,署名を承諾したことはないと争ったものです。このケースについて,裁判所は,保証契約を書面で行うことは,保証人の責任が重いことに照らして慎重に判断をさせるためであるとし
①保証人とされる方が署名等に主体的に関与した②保証契約の内容を知ったうえで署名の承諾を与えたこと,が必要であると判断しています。

 そのうえで,先ほどのケースでは,事実の問題として,署名が保証人とされる方以外の人によってなされていること・リース会社から保証人とされた方への確認も証拠となる記録からはやり取りの記録がなく,承諾を与えたとは考えがたいと判断し,保証契約が署名によりなされたとは言えないと判断しています。

 この裁判例の話からすると,保証人とされる方に署名をしていただくか,代筆である場合には契約内容を理解しているかの説明と確認のやり取りの内容を記録に残しておく必要が出てきます。ちなみに,この判断は第2審のもので第1審では全く逆の結論が出ています。ただし,第2審の判断が最高裁でも維持されていることから,保証契約については先ほどの点への注意が必要になるものと考えられます。

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