法律のいろは

離婚と親権(子供の年齢ごとに親権者を変えられる合意はできるか)

2015年5月9日 更新 

 離婚の際に,未成年の子供の親権者に関して争いやその他の事情があり,子供の年齢によって親権者をかえることを離婚の際に決めることができないか問題になることがあります。こうした号尾をすることはそもそも可能でしょうか。

 その答えは,そうした合意はできないということになります。こういった話は,たとえば,長女が小学校に入学するまでは母がその後は父が親権者になるというものが考えられます。こうした合意は,親権を一部制限することや将来の一定の条件や期限をつけることになってきますが,こうしたことを真剣に関して行うのは一般に許容されないと考えられているためです。

 将来的な親権をどうするかという事は離婚時の子供の親権者を誰にするのかという話とは全く別のものであり,離婚時に親権者の取り決めをし,その後の事情の変更に応じた親権者の変更を申し立てることになろうかと考えられます。親権者の変更については,家庭裁判所に対する調停の申立てという形をとり,その理由としては離婚後に生じた事情の変更が必要になります。先ほどの話では,あくまでも離婚時あるいは考えている最中に出てきた話という事になりますから,離婚後に生じた事情の変更とは言い難い面が出てきます。すると,先ほどの約束が離婚時にできないから,将来無条件で親権者の変更ができるという事にはならないことには注意する必要があります。

 家庭裁判所における離婚調停はこうした考え方がとられており,離婚調停で先ほどの話を合意でまとめることは極めて難しいことです。協議離婚でも離婚届には離婚時の親権者の記載をすることになります。仮に協議離婚書に先ほどの合意をしても,親権者の変更には家庭裁判所への調停の申立てが必要で,そのために必要な事情の変更に協議離婚書の記載が該当しにくい点にも注意が必要と考えられています。っ家庭裁判所における離婚裁判においても判決ではそもそも合意は問題にならず,判決では離婚時の親権者を定めるだけですし,和解であっても先ほど離婚調停について述べたところが当てはまるかと思われます。

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