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不倫・不貞行為の成立を否定した裁判例の紹介

2015年6月13日 更新 

 既にニュースなどでも報道されているようですが,「枕営業」とされることについて,慰謝料は生じる原因となる不倫・不貞行為にならないと判断した裁判例がありますので,紹介をしたいと思います。

 判決によると,夜のクラブに通っていた男性の妻が,そのクラブのままに対して,不倫・不貞行為が続いていたことを理由に慰謝料請求をしたケースのようです。報道でもあるように,新たなと思われる法律的な考え方を示していますが,訴えられた側の反論はいくつかあり,そもそも当該男性と不倫・不貞をしていたというのは別の人物だという事で,不倫・不貞行為の存在を争っているものです。

 裁判所の判断としては,不倫・不貞行為となりうる可能性がある肉体関係が存在したとしても,それは慰謝料の原因となる不倫・不貞行為(法律上不法行為と呼ばれるもの)にはあたらないとして,慰謝料の請求を認めていません。
 判断としては,まず,不倫・不貞行為とされるものが慰謝料を生じさせる原因として,「婚姻生活の平和を害する」ことを根拠にしていると述べます。そのうえで,いわゆる売春とされる事柄では,対価(料金)をもらって性行為をする,性欲処理に商売として応じただけだから,「婚姻生活の平和を害する」ことはないと判断しています。つまり,慰謝料の原因にはならないという事を述べています。

 そのうえで,「枕営業」と呼ばれる事柄が裁判上証明を必要としない一般に知られた事実であると述べています。ここでいう「枕営業」とは,クラブのホステスなどが顧客確保のために行う営業活動の中で,顧客の何かしらの要求にもとづき性交渉をすることを指すと述べています。

 ただ,「枕営業」で顧客が支払う代金は,直接はクラブ等の利用料金などで,性交渉自体の対価でもなく(性交渉に応じること自体を商売とするものではない),クラブなどの客のうちだれに応じるかは自由であるなど,慰謝料の原因に性的関係が当たらないといういわゆる売春とは違いがあります。判決では,この違いについて,「間接的な対価」がある・いわゆる売春の中にも自由に顧客を選べる形態もあるから,小さなものであると述べています。

 ここから,【枕営業」でも【婚姻生活の平和を侵害しない」から,慰謝料が生じる原因とはならないと判断しています。

 この判決の中では,これまでの裁判例との異同等「枕営業」と評価できるもの・その範囲から逸脱するもの等についても触れています。高裁・最高裁で判断されることがなかったケースです。いわゆる風俗店における性行為に関して慰謝料の原因となるかどうかを含め,この判断が一般化するかどうかはともかく,特色のある判断とは思われます。

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