法律のいろは

会社と給料や解雇等のことで揉めた場合に,どこに話を持っていけばいいのでしょうか?

2015年10月18日 更新 

 残業代や給料が支払われない,勝手に減額された,辞めさせられた等で勤めていた方と会社側がトラブルになることがあるかと思われます。会社側としては,事前にそういったことでトラブルにならないように対策をしておくのがベストですが,勤めていた方側としてはどこへ行けばいいのかという話が出てきます。もちろん,弁護士や各労働相談等に行くというのは対応を考えるうえで重要なところです。弁護士会の電話相談を行っているところもあり,そうしたところでのアドバイス確保も考えるうえでの一つのポイントとなるでしょう。

 問題が起きたと思う場合,まず話をしに行くところとして,労働基準監督署が頭に思い浮かぶのではないでしょうか?労働基準監督署は,行政機関として法令違反があるかどうかの監督等を行っています。こうした行政機関が会社側に事情を聴くというのはある話しですが,お金の問題等の紛争を解決してくれる機関ではない点に注意が必要です。会社側は,行政機関の監督やそれにまつわるペナルテイを恐れて対応してくる点はあるでしょうが,あくまでも紛争の解決機関では労働基準監督署はありません。

 行政における紛争の解決機関の場としては,都道府県労働局(国の機関)における紛争調整委員会の斡旋という制度があります。ここでの斡旋とは,斡旋委員という中立の立場という方を介して,話し合いで労働に関する問題を解決していこうという制度になります。ただし,採用に関する問題は対象になりませんし,既に裁判になっている事柄はこうした場での話し合いになじまない点には注意が必要です。

 この斡旋手続きは,申立の相手方に対して特に出席をすることを強制する制度はありませんし,出席しないことへの何かしらのペナルテイを課す制度もありません。そのため,相手方がこうした斡旋の場で早く解決することにメリットを感じない場合には,せっかく申立をしても空振りに終わることもあります。

 また,話し合いがついた場合も単に示談をしたのと同様の話となります。お金の支払いに関することは別に公正証書を作らない限り,支払いがない場合には差押えを当然には行うことはできません。話し合いがつかない・つきそうにない場合には,手続きは打ち切られることになります。

 こうした制度の他に都道府県の労働委員会における調整をつけるための制度もあります。次回は,労働審判という制度に触れたいと思います。

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