法律のいろは

建物やその部屋を借りている場合に,増改築やペットの飼育をする場合に問題はあるのでしょうか(その②)?

2015年11月9日 更新 

 マンションなどの建物の部屋を借りる際に,契約書で定めた利用目的等に違反した場合等にどういった不都合が出てくるのだろうかという話を触れました。今回は,少し話題がそれますが,アパートなどを借りる際に,ペットをそこで飼うことに何か問題が出てくるのかという話を触れたいと思います。

 まず,ペットを飼うといってもペットの周類や飼い方で違う点が出てきますし,何を借りるかによっても話は変わってきます。いわゆる戸建の家全体の借家であり,庭もついていれば,その敷地で犬等を飼うことに大きな問題は出てきません。これに対して,共同住宅であるアパートや賃貸マンションでは,共同住宅であるために話が変わってきます。この場合には,ペットによる汚れや破損あるいは鳴き声などから,建物自体に傷が生じたり,他の借主との間のトラブルが生じかねません。

 こうした点がありますので,ペットの飼育を禁止する旨の約束があるところでは,基本的にはこうした約束・特約は有効ではあります。そのため,こうした定めにもかかわらず犬などを室内などで飼っていれば,用法違反になるリスクは高くなります。こうしたペットの飼育を継続することは,先ほど述べた点にもありますように,貸主と借主の信頼関係に大きな影響を与えかねませんので,貸主側からの契約解除を有効とさせかねません。

 ただし,金魚を飼うような先ほどの述べた問題が少ないような場合まで,こうした特約が及ぶとまでは当然には言えないように思われます。また,こうしたペット禁止の特約がなかったとしても,周囲に危険をもたらしかねない動物(毒蛇や猛獣の類)を飼育することは,通常貸し借りの契約で許容されているとは考えがたいですから,賃貸借契約で許容されて初めて用法違反にならないものと考えられます。

 特に,退去を求められることにつながりかねない契約解除につながるかどうかはケースごとの事情がありますが,いかにペット禁止とされていなくても借りている室内で多くの犬や猫を飼育しているような場合等に,契約解除を認めた裁判例があります。こうした場合のすべてが契約解除に当然至るとまでは言い切れませんが,アパート等の住人とのトラブル・建物の汚損の可能性の高さなど,リスクを抱えているようには思われます。

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