法律のいろは

養子縁組が無効になる場合とは(その①相続や方便目的の養子縁組は)?

2015年11月30日 更新 

 養子縁組が様々な理由からなされるという話は以前しました。法律上の親子関係を作ることで相続人に加える等もその理由の一つといえるでしょう。その他の目的もありうるところですが,とりあえず養子縁組届出書を作成して届け出ればすべて有効かというのが今回触れる話です。

 負債を負った際に借りられるように名前を借りるという話や高齢で判断能力も大きく低下している方の養子に突然なるという場合等には,トラブルが生じる可能性が高くなります。こういった場合にトラブルになる可能性があるのはなぜでしょうか?本当に親子関係を作る気があるのか疑問が残るというのが理由の一つになるかもしれません。

 同様に何かしらを継がせる目的の場合はどうか・遺留分対策として一人当たりの遺留分を下げる・相続開始に近い頃に養子縁組が行われ新たに法定相続人となった方がいる場合等トラブルになるケースは想定されます。ちなみに,相続税を課税されるかどうかにかかわる基礎控除部分を増やす(法定相続人×600万円+3000万円)ための養子縁組については法律で規制が存在しますので,意味はありません。

 

 法律上,養子縁組を有効にするための前提(未成年の方を養子にする場合には別に規制があります)として,・縁組届に親となる方子供となる方が記載をして届出を行う,の他に・縁組をする意思があること,が必要とされています。前者については,別の方が勝手に作成して届け出た場合には,犯罪になる可能性があることはもちろん,そもそも縁組がなされていないのですから,養子縁組が成立することはありません。

 これに対し,養子縁組をする意思とは何でしょうか?単に養子縁組届に記入して出すというだけであれば,届出を行う以外にこうした前提が設けられることはありません。結婚する際にも似たような問題がありますが,一般には,単位届け出をする意思では足りず真に親子関係を築いていく意思が必要とされています。結婚の場合には,実態のある夫婦関係を作ることが要求されていますが,養子縁組は結婚と違い目的が様々あるので,単純には言えないところです。

 未成年の方を養子にする場合には,当然養親による養子の養育監護が大きな問題になりますので,こうした養育監護を行い子供の利益や成長を図っていくのかが大きな問題となります。ここでは家庭裁判所の許可を必要とする・15歳未満であれば養子となる方の法定代理人(親権者など)が承諾をする必要があるなど規制を設けられています。これに対して,成人を養子にする場合には規制は少ないです。縁組意思も実態としてはっきりとその内容を述べた裁判例はなく,先ほどの親子関係を築く意思というのも扶養や相続を目的としても縁組意思がないとは言えないものの,縁組の前後で交流状況が存在しない状況が変わらず(親族としての交流の形跡がない)親子としての人間関係を築く意思があったとは評価できない場合には,縁組意思がないとしている裁判所の判断も存在します。

 相続に関して,判断能力衰えた高齢の方が第3者等と養子縁組をした場合に問題が起こる理由としては,真意にもとづいて先ほど述べた意思があるのかが問題となりうるためと考えられます。多くは成人の方を養子にすることが多いのでしょうから,未成年の方を養子にする場合とは問題の状況は変わってくる点はあるでしょう。

 詳細は次回に続きます。

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