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会社の関わる歓送迎会について,労災保険の対象となると判断した裁判例

2016年7月11日 更新 

 既に報道されていますが,最高裁の判断で,会社の関わる歓送迎会からの帰路に起きた事故が労災保険の対象となると判断したケースがありますので,簡単に紹介をしたいと思います。

 

 争点となったのは,死亡の原因や原因が事故であった場合に,それが会社の業務に起因するものといえるかどうかというものです。ここで取り上げるのは,事故が会社の業務に起因するものといえるかどうかについてです。これは,法律上,労災の支給がなされるのが,業務に起因することを求めているために問題となります。そして,裁判例上,そのために必要な事柄の中に,会社との雇用契約に基づく,会社側の支配下で事故が起きたことが必要になってきます。

 

 争われたのは,こうした点から事故やその行き来の原因である歓送迎会が会社の支配下で起きた故音ガラといえるかどうかという点になります。判断は,第2審と最高裁で全く異なっていますが,これは事実関係に関する評価が分かれたためであると考えられます。

 

 事実関係としては,外国人研修生の歓送迎会が企画され実行され,亡くなった方も参加した・その参加は仕事の期限のために参加できないという亡くなった方の意向に対して,上司から参加を強く促され,期限に遅れそうなら上司も手伝うという話が出て行ったこと・その上司が実質会社の社長としての仕事をしていたこと・歓送迎会後に終わっていない仕事を続けることが予定されていたこと・歓送迎会の費用が会社の福利厚生費から支払われていたこと,等の事情があります。

 

 第2審では,あくまでも会社の有志による私的な集まりであるから,会社の支配下ではない歓送迎会の行き来の際の事故であると判断し業務に起因しないと判断しています。

 これに対し,最高裁の判断は,先ほど挙げた事実関係から,亡くなった方が歓送迎会に参加を余儀なくされ,仕事を一時中断するように至った点・会社の業務に関連して受け入れていた外国人研修生との懇親を目的に,社長の仕事を代行していた方が発案し,費用も会社が払っている点,歓送迎会での送迎も会社の所有する車で行われていたこと等を重視しています。こうした点から,歓送迎会が会社の業務に密接に関連したものとして行われたと評価しています。

 そのうえで,歓送迎会終了後に,上司に代わり参加者を送迎して仕事に戻る際に起きた事故である点を考慮し,会社の支配下で起きた事故であると判断しています。そのために,業務に起因した事故であるから労災の対象になると判断しています。

 

 あくまでも事実の評価に関する点があり,一般化できない点もありますが,単に歓送迎会であるから一律に会社の支配下ではないと判断した点に意義があるものと思われます。

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