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配偶者が別居の前に持ち出した財産(預金など)を婚姻費用の支払いにおいて,考慮されるケース

2016年8月6日 更新 

 夫婦が別居する前に,一方配偶者が他方に秘密でまたは伝えたうえで,預金からの引き出しその他財産を持ち出すことがあるかもしれません。持ち出すことを伝えた場合には,そのことについての何かしらの了解が夫婦間であることもあり得ますが,秘密で持ち出した場合には,トラブルが起きることがあるかもしれません。

 

 夫婦のうち,収入の少ない方にとっては離婚までの生活費の確保は大きな問題です。他方で,財産を落ちだされた側(多くは夫側のように思われます)にとっては,持ち出されたうえでの生活費(婚姻費用)の請求は大きな負担と納得がいかない点が出てくると予測されます。

 

 この場合に,持ち出された財産が婚姻費用を決める際に考慮されるかは問題となります。ただし,原則として,あくまでも離婚時での財産をどう清算するのかという問題として財産分与の問題として扱われます。また,持ち出した側からすれば,その分は生活費に充てるようにという話があったと生活費の問題・離婚の話の中で反論して出てくるかもしれません。

 

 そうはいっても,夫婦の中で当面の生活費に充てることが合意された場合に,全く考慮をしないことは不適切なケースも出て消えます。裁判例の中では,こうした了解があったケースでかつ持ち出したお金(預金など)をすべて使った後に生活費(婚姻費用)を請求した場合について,判断をしたものがあります。そのケースは生活費(婚姻費用)についての調停・審判の途中で離婚は成立した場合に,あくまでも結婚を前提とした生活費(婚姻費用)の話をどうするか・持ち出したものの使ったお金を生活費(婚姻費用)の話の中で考慮するのかなどが問題になっています。

 

 このケースについて裁判所の判断では,離婚が成立した後も(生活費(婚姻費用)に関する話が残ったままの状況である場合には),生活費(婚姻費用)に関する財産分与(清算)の話として,生活費(婚姻費用)の話は扱うと判断しています。そのうえで,生活費(婚姻費用)に充てることの了解があった財産を使ったうえでの生活費(婚姻費用)の請求においては,持ち出して使った分は再度請求できないと判断しています。問題となったケースでは,生活費(婚姻費用)の負担額として負担すべき金額よりも多くの財産を使った側が生活費(婚姻費用)の支払いを請求したもので,生活費(婚姻費用)の請求を許さないという結論になっています。

 

 これは,生活費に充てるように準備されたお金で既に充てていた以上は二重請求になるなどの事情もあります。このように,ケースの事情によっては,持ち出して使ったお金が生活費(婚姻費用)の金額決定において考慮されるケースもあり得ます。

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