法律のいろは

婚姻関係が破たんした原因がどちらにあるかがシビアに問題となる場合(慰謝料の関係)

2016年8月16日 更新 

 夫婦の関係が悪化したのは相手方であって自分ではないという思いに駆られている方は多いかもしれません。夫婦の間にはお互い我慢しながら関係を成り立たせていくという言葉もあるように,お互いが支える・我慢することによって関係が維持されていることが多いように思われます。関係が悪化した際には,自分が悪かったと思うことがあるかもしれませんし,お互いが悪かったと思うかもしれません。一方で,相手が大半悪いということを思うこともそれなりにはありうるでしょう。

 

 しかし,大半のケースでは夫婦の関係が悪化した原因の大半が夫婦の一方であることを示す(証明する)のは相当に困難です。暴力がひどく存在していて証拠もある場合,不貞行為(不倫)があって証明できる場合には,はっきりした原因があるケースも多いでしょう。これに対して,性格の不一致等の場合には,そうした原因が一方のあることを示すのは難しくなります。

 

 夫婦のお互いが離婚することに合意をしているならば,後は離婚をする(子供の親権者に争いがあれば,ここがメインの争点になります)だけになります。そのため,そこまで相手に原因が一方的にあったのかどうかは感情面はともかくとして,実際は問題にならないでしょう。ここにこだわっていると,話がこじれてしまうだけですので,早期に再スタートを希望している・協議離婚や調停離婚で済ませようという考えがある場合には,障害になりかねません。

 

 これに対して,離婚に伴う慰謝料の請求にこだわっている際には,たとえ離婚には合意していたとしても大きく問題になることもあり得ます。この場合に,慰謝料にこだわることでどこまで得るものがあるのかの見極めは重要になってきますし,大きな争いが夫婦双方の間になれば,離婚裁判での解決に至りかねない点にも注意が必要です。

 こうした事実関係が問題になる場合には,言い分と証拠を出して自分の主張を根拠づけていく裁判に至る可能性は大きくなってきます。その中で,夫婦の間の傷のほじくり返しあいになりかねない点とそこへのエネルギーの注力は負担になることもあります。もちろん,感情面などでどうしても納得ができない場合もありますし,そうした場合には,こう言った点を考えてもなお原因がどちらにあるのかが重要と考えられる場合も出てくるでしょう。

 

 結局は,ご自身にとってどういった方向に進むのがいいのか・見通しを,場合によっては弁護士など第3者の力も借りながら考えていくことが重要になってくると思われます。

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