法律のいろは

不貞(不倫)をした側から離婚を求める際に条件面の目安はあるのでしょうか?

2016年11月5日 更新 

 不貞(不倫)をした側からの離婚請求は,相手方(妻あるいは夫)が断ってきた場合には,離婚裁判で認められるには相当なハードルがあります。これまでのコラムで,そうしたハードルについては触れたことがありますので,今回はそうした点には触れません。相手方の断る理由には感情的なものや条件面での話,その他さまざまな原因が考えられるところです。

 相手方配偶者が感情面などから頑として拒否をしている場合はともかくとして,条件面では離婚を考えてもらえそうな余地がある場合に,どの程度提案をすればいいのかは気になるところです。そういった点に目安はあるのでしょうか?なお,このコラムでは,不貞(不倫)を推奨しているわけではない点はお断りしておきます。

 

 結論から言えば,はっきりとした基準があるわけではありません。そのため,この金額であれば絶対というものはありません。ただし,裁判例上,不貞(不倫)をした側からの離婚請求について,同居と別居の期間・未成熟子(独立した生計を営めない子供)の有無・相手方が離婚により経済面などで過酷な状況に置かれるか等を考慮しています。

 このほかに,不貞(不倫)がある前に客観的に見て夫婦関係に大きな危機があったかというのも影響はあるものと思われます。

 

 先ほど述べた点はその方により様々ですが,ご自身の言い分はともかくとして離婚の話が出ていたとも言えないし,未成年の子供もいる・同居が長いわりに別居期間は短い・相手方配偶者が経済的に苦しくなる(再就職が難しい)といった場合には,離婚が認められるには別居期間が長く必要となる可能性が高くなるでしょう。

 金銭面として,負担する内容としては不貞(不倫)等の慰謝料に加え,子供の養育費と離婚請求が離婚裁判であっても認められそうな期間までの生活費(婚姻費用)との差額は考えられるところです。この金額の計算が一つの目安の要素になるかもしれませんが,あくまでも一つの考慮点です。もちろん,慰謝料自体に絶対できな基準があるわけでもありませんから,この程度であろうという見立てをしていくことになるでしょう。

 

 ちなみに,条件面では離婚を考えている場合には,こうした点を考慮してどの程度で解決するのがいいかを考えていくのが方向性の一つにはなり得るでしょう。

 

 このように,絶対的な基準があるわけではありませんが,一つの方向性としてこう言った点もあります。また,こうした考え方をとる場合には,実際に離婚裁判が認められそうになる期間はどの程度かの想定もポイントとなりますが,様々な要素によって変わってくる点にも注意は必要です。インターネット上で短い期間で認めた裁判例を見つけたからといって,直ちにご自身にあてはまるわけではありません。

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