配偶者の親族との折り合いが悪いので,「親族関係」を終了したいというお気持ちがある方もいるかもしれません。配偶者が仮に亡くなった場合には,実際上の付き合いが亡くなることも多いと思われますが,法律上の「親族関係」はどうなるのでしょうか?
結論から言えば,法律上の「親族関係」は続いたままです。終了をさせたいのであれば,姻族終了の届け出を役所に提出する必要があります。この届出自体は,配偶者が亡くなった後であればいつでも提出することができます。また,一方的なものですから,配偶者の親族(親など)の了解が必要というわけでもありません。
それでは,気持ちとして配偶者の親族との「親族関係」を終了させたいという点は置くとして,法律上「親族関係」が続くことで何か問題が生じるのでしょうか?
結論から言えば,そうは生じないと思われます。ただし,「3親等内」の親族に該当する方(配偶者の親族でも含まれる可能性はあります)については,「特別な事情」が存在する場合には家庭裁判所の判断によっては「扶養」の義務が発生することがありえます。これは,たとえば,配偶者の親が病気にかかるなどして生活できない場合に,援助をするように申し立てた場合が考えられます。
特別な事情が要求されますから,当然に「扶養」が認められるわけではありません。この辺が血縁のある親との違いですが,以前その方から援助を受けていたなどの事情があれば,特別な事情があると判断される可能性はありえます。
相続に関しては,遺言による対策を待つまでもなく,配偶者が先に亡くなった場合には配偶者自身の相続に関する相続人にその親族がある可能性は親や兄弟姉妹であればありえますが(遺言もなければ,配偶者との間に子どもがいればありえません),ご自身の相続に関しては相続人とはなりえません。これは法定相続人に該当しないためですので,特に何かしらの問題はないように思われます。
ちなみに,その配偶者との間の子供は,配偶者の親族との関係には影響は及ぼしません。また,姻族終了をすれば配偶者の相続に関して何か影響を受けるかといえば,それだけで受けることはありません。
実際に姻族終了の届け出をするかはご自身の判断次第ですが,仮に届け出をしたとしても戸籍には影響はありません。配偶者とは別の戸籍にしたい場合には,そのための手続きをとる必要が出てきます。実際のところ,影響を及ぼす点はどこまで多くはないと思われますが,心理的な面で大きな点がある・扶養の問題がシビアに出てくるような場合には,届け出を考えてもいいのかもしれません。
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