法律のいろは

 本日のニュース報道を見ると,民事裁判の際に裁判所に提出するやり方のペーパーレス化を進める方向で法律改正を行う方向であるという話が出ていました。詳細は分かりませんが,仮に実現するとなると,現在の書類の提出のルールに変更が出てくるかもしれません。

 

 現在は,裁判所に提出する訴状(ある事柄について,自分が相手に請求する内容やその理由などを記載します)を書類として提出します。自分の言い分の根拠となる証拠(言い分の根拠となる事実が存在することを示す役割があります)も書類などの形で提出します。これは裁判所での裁判が書類をもとに進められるというのが現在の制度だからです。実際の裁判の場では,提出された書類(言い分を記載した書類,訴状・準備書面等といわれます)等をもとに,相手の反論(反論を記載した書類,答弁書・準備書面などといわれます)を見て,争いとなる点を見極め,どのように進めていくのかの議論を進めていきます。また,証言が問題になる際には証人尋問や本人尋問という話を聞いて事実関係を確認する手続きがある場合もあります。このほか,言い分や証拠を踏まえて話し合い解決が可能か考えていく和解手続きもあります。

 

 すべて裁判所に出頭する必要があるかといえば,弁護士(簡易裁判所では司法書士の方も)に依頼すれば,出張の必要はなくなります。この方たちが出頭が必要な場合には出頭するからだろうためです。とはいえ,弁護士などの方を代理人として依頼をしても,先ほどの証人尋問や本人尋問といった手続きでは事の性質上裁判所には出頭することにはなります。また,話し合いの進行上どうしても裁判所に出頭した方がいいという場合もありうるでしょう。後者については依頼をした弁護士の方などとよく協議をしてどうするかを考えた方がいいと思われます。

 細かな点は省略しますが,遠い裁判所であっても,一定の場合であれば電話で裁判手続きが進められる場合があります。先ほどの証人尋問や本人尋問といった手続きも一定の場合には,遠い裁判所まで出頭する必要はなく近くにある裁判所へ出頭してテレビ会議システムで手続きを進められる場合もあります。そのため,仮にご自身で手続きを進めるとしても,絶対に裁判所に出頭しないといけないとは限りません。ちなみに,離婚調停などの調停手続きでも電話で進めることができる場合もありえます。

 

 話し合いがつかない場合には,提出された言い分を書いた書類と証拠などをもとに,争いのある点を判断し,裁判所に出された請求に理由があるのかどうか(請求を認めるのかどうか,一部の種類の裁判では認めない場合でも単に請求を認めないとするのではなく,何かしらの判断が出される場合があります)を裁判所が判断します。

 

 以上は代表的な場合ですが,書類だけで片が付く可能性のある手続きなどありますが,こ子では省略します。

 

 いずれにしても,現在は裁判所の納める印紙と切手,訴状や証拠は紙の形での提出が必要(持参・郵送,一部の書類はFAXでも可)という点が今後変化する可能性があるということなんでしょうね。今後の動向に注目をしたいところです。

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