法律のいろは

一度取り決めた面会交流の内容が変更されることはあるのでしょうか?

2018年3月4日 更新 

 協議離婚・調停離婚の際などに,子供の親権のほかに面会交流の取り決めをすることがあろうかと思われます。最近は,比較的取り決めをするケースが以前よりは増えた印象があります。柔軟性を持たせるために,概括的な取り決めを最初にして後は子供の成長状況やそれぞれの都合に合わせて運用していくケースが多いように思われます。ただし,運用の仕方によっては父母双方の側に不満が出てくることがありえます。

 

 その際の対応手段は別のコラムでも触れましたが,父母の間で協議をすることや家庭裁判所における手続き(履行勧告等)を使う方法がありえます。不満の種類には,会わせてくれない・取り決め以上に勝手に会いに来ているといったことが大まかに言って考えられます。今回はこのうち,後者の場合を取り上げたいと思います。

 

 取り決め以上に勝手に会いに来た場合,会いにきた側には当然という思いがあるかもしれませんが,取り決めを守ってくれないと感じる側からは大きな不満が出てくる可能性があります。そのことについて父母間で調整がつかない場合には,一度取り決めた面会交流の制限を求める申立(調停で話がつかない場合に審判に移行するケースが多くなるものと思われます)がなされる可能性があります。

 

 話し合いがつかず調停では決着しない場合(対立が大きい場合には,このようになる可能性も相当程度高く存在します)には裁判官の判断である審判が出されることになります。その際にどのような内容の判断がなされるかはケースごとによります。ただし,一度取り決めた内容を変更するというのであれば(特に面会交流を一時期にしても制限をするのであれば),それなりの事情の変更が必要となります。面会交流を制限するというのであれば,親同士の感情的な対立が激化するというだけでなく,子供にとって精神的な負担をもたらすような事情・子供の成長にとって現在の面会交流を避けるべきと考えるだけの事情が必要となってくるものと思われます。実際のところ問題となる,どこまで行けばそのようになるかは,単にルールを守らないというだけではなく,違反による子供への影響等を含めて考えていくことになるでしょうし,ケースごとの事情によるものと思われます。

 面会交流の制限も一時的な制限等様々考えられるところです。父母間の感情対立があるものの,父親側に子供の成長への情熱などがある場合からそうした要素のない場合まで様々考えられるところです。父母の感情対立が大きい場合には子供への影響がある場合もありえますし,協議や調停がなかなかうまく進まないことも考えられます。ちなみに,裁判例の中には,認定された事実からは,子供の教育などに熱心な父親が母親側に否定的なようするを見せる・取り決めた条件以外に待ち伏せをするなどしたケースについて,一時期の面会交流の制限を命じたものがあります。

 単なるルール違反や感情面の対立では片づけられず,様々な事情を考えていく難しい話になろうかと思われます。

 

 

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