法律のいろは

ペットの犬等が他の方や動物をケガさせるなどした際の賠償責任はどうなるのでしょうか?

2019年9月9日 更新 

 普段様々犬の散歩(猫はあまり見ませんが)をされている方を見受けます。室内飼いにしているか外飼いにしているかはともかく,リードをつけて散歩という事柄が多い犬の場合散歩中などでのトラブルの可能性はあります。こうした場合に,飼い主に賠償責任が生じるのでしょうか?

 

 例えば,散歩中の犬が興奮して人をケガさせた場合を考えてみましょう。結論として,管理に問題があるから賠償責任は生じると考えられそうです。この他に,犬はかみついてはいないけれども吠えかかったことで,吠えかけられた側が転倒する(裁判例の中では自転車に乗っていて転倒したというケースがあります)場合も考えられます。

 動物を飼っている方は管理に責任を負うとして,法律上相当な注意を尽くしたことが言えない場合以外は管理責任を負います。ここでの管理責任は賠償責任ということで,通常の場合と異なるのは注意を尽くしたことを飼っている側で示す必要がある点です。噛みつく・吠えるなどの行動が予測されますから,ハードルは相当程度ありえます。もちろん,異常な事態への対処までは不要ですが,予測されそうな話(実際に予測していたかどうかではありません)までは注意を尽くす必要が出てくるというのがここでの問題点ですね。

 

 ここでの話は賠償責任ですが,不注意により人に大けがなどをさせた場合には,刑事事件上でも大きな不注意でケガをさせたということで犯罪になってしまう可能性もあります。先ほどのケースだけでなく,室内飼いでもこれまでよく吠える・とびかかる傾向があったのであれば,相当注意をしていないと訪ねてきた方へケガをさせた場合には,こうした面でのリスクがあります。こちらのリスクは,賠償責任とは別個に刑罰を受けるというもので,ペナルテイのレベルとしては大きなものとなりかねません。

 

 

 少し話はそれましたが,賠償責任を負う場合にはどこまで負うのかが問題になってきます。実際に生じたケガの治療費等実際にかかった費用が範囲に入ることは多くなりますが,例えば精神的なダメージを受けたというPTSDのような場合には,実際に賠償責任の原因となる事故から生じたといっていいのかが問題になります。単に,事故後に症状が出たというだけでは足りず,医学的に見てどうなのか等通常そうした事故から,問題となる症状が起こるのか等が問題になってきます。

 このほか,ケガをした側にも落ち度があったのかどうかも問題となります。例えば,ケガをした側がペットを挑発していたような場合が分りやすい例です。この場合は相手の落ち度に応じて賠償すべき金額が減っていきます。

 

 

 一番はきちんとペットの管理を行うことですが,過剰なストレスを与えることなくどのようにしていくかを考えていきたいところですね。

メールフォームもしくはお電話で、お問い合わせ・相談日時の予約をお願いします

早くから弁護士のサポートを得ることで、解決できることがたくさんあります。後悔しないためにも、1人で悩まず、お気軽にご相談下さい。誠実に対応させていただきます。