法律のいろは

再婚の法律問題(その⑨)

2013年12月9日 更新 

 再婚をする方が子どもを連れている,いわゆるスッテプファミリーができるケースも再婚には出てきます。この場合に,再婚相手が子ども(未成年)の扶養義務を負うのかどうかも問題となりますが,再婚相手が亡くなった場合の相続がどうなるのかも問題とはなりえます。

 

 遺言書がない場合にどうなるのかを触れていきます。再婚したからといって,自分の子供と再婚相手の間には法律上は親子関係は生じないのには注意が必要です。再婚した以上は家族なのだから親子関係はあるのでは?と考える方がいるかもしれませんけど,法律上はそうはなりません。ですから,再婚相手は子供の親権者にはなりませんし,扶養義務を負いません。

 この場合に,再婚相手と子どもの間に親子関係を法律上作るには,再婚相手を養親・子どもを養子とする養子縁組を行う必要があります。未成年の子どもを養子にする養子縁組を行うには,家庭裁判所から許可を受ける必要が原則あります。連れ子養子なのに許可がいるのかという気がするところですが,法律上配偶者の子どもや孫を養子にする場合には家庭裁判所の許可は不要とされています。これは,そもそも許可を必要とするのは,養子にして働かせる等の問題ある養子縁組を起こさせないためである点が関係しています。

 

 養子縁組には,他に子ども本人が自分の判断で養子縁組が出来るかも問題となります。法律上は,子ども自身が15歳以上であれば自分の判断で養子縁組(ただし,原則は家庭裁判所の許可が必要)をすることができます。とはいえ,未成年者が自分の判断だけで養子縁組をするのには難しい部分が生じるケースもありますが,連れ子養子ではそうした部分が避けられるかもしれません。

 子どもが15歳未満の場合には親権者(法定代理人)が子ども本人の代わりに判断することになります。離婚の際に親権者を自分にしていたのであれば問題が少ないでしょう。これに対して,元配偶者を親権者と離婚の際に決めていた場合には元配偶者が養子縁組していいかを判断しますので,ハードルが大きくなることもあるかもしれません。元配偶者を親権者としたものの死亡した場合には,未成年後見という制度の利用が必要となることになります。

 

 このように,養子縁組自体色々とあるところです。他のコラムでも触れていますが,その後養子縁組をした子供との関係が難しくなった場合には,遺言を書き直すということもありえます、ただし,遺留分に関する問題(令和元年7月以降は遺留分侵害請求としてお金の清算の問題となっています)がありますので,養子縁組の離縁を考えることになるでしょう。養子縁組の離縁は話し合いが可能であれば簡単に行うことができますが,関係が難しい場合には家庭裁判所の調停や最終的には離縁の裁判を使って強制的に離縁ができるのかを考えていくことになります。この方法は状況によっては時間がかかることもありうる可能性もあります。

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