法律のいろは

熟年離婚の際にポイントとなることとは?(その⑦)

2013年12月12日 更新 

 これまで、熟年離婚の際に問題・ポイントとなりそうな点について何回かお話をしてきました。ちなみに、この「熟年離婚」とは結婚何年以上をいうのでしょうか。

 インターネットなどちまたでは、おおよそ20年以上の結婚期間のことを指すようです。そうなると、通常は子供は成人をしているケースが多いのではないでしょうか。子どもも進学・就職で実家を離れ、夫婦2人だけでの生活に…という場合に生じるのが、この「熟年離婚」の問題だと思われます。

 こういった場合、やはり間近に問題になってくるのが、夫婦双方の親の介護問題、あるいは夫婦2人のこれからの生活をどうするか、場合によっては夫婦の間でも介護の問題が生じることがあるでしょう。老後に対する金銭的な面の不安も抱えながら、本当に今の生活のままでよいだろうか、そう思うようになったときに生じる問題だと思います。

 このように考えると、やはり離婚ということを考えた場合、その後の生活をどうするかが大きな問題になってきます。そのため、これまで何回か書きましたように、財産分与について、熟年でない離婚のケース以上に問題になってくるでしょう。

 ですから、現に夫婦が住んでいる家について、どちらが引き続き住むことになるのか、年金については後述のように年金分割によるとして、それ以外の経済的な基盤をどう確保するかが重要です。その具体的な目途がないまま、離婚に踏み切るのは、慎重になる必要があります。

 いわゆる、熟年離婚に至る夫婦の場合、特に妻は専業主婦、あるいはパートのことが多いのではないかと思います。その場合、夫の方から財産分与の割合について、妻には通常の1/2ではなく、より少ない割合によるべきだ、という主張がなされることがたびたびあります。外に出て稼いでいるのは、夫である自分であるから、妻の貢献度は低いと言いたいのでしょう。

 ただ、これは熟年離婚に限りませんが、結婚生活は、夫婦双方の支えがあって成り立つものです。ですから、夫が仕事のために外で働いて稼いでいるとしても、妻が家庭で家事を中心にしてくれているからこそ、仕事に専念できるといえます。ですから、稼ぎ手は夫だとしても、妻の支えがあってこその収入となります。

 なので、妻の財産形成に対する寄与の割合は1/2として計算をするのが一般です。

 熟年離婚と財産分与の話については、次回も続きます。

 

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