法律のいろは

親権と離婚(その②)親権とは?

2013年5月1日 更新 

 親権の内容について,この前軽く触れました。

 決して権利などではないというか義務が多いということが注意するところかなという気はします。特にお金の管理関係では,親子と言えども「利益」が反する場合には「利益相反行為」といって,制約がかかる点には注意が必要な気がします。

 監護養育と財産などの管理という親権,夫婦が結婚している場合には,夫婦(子どもにとっては父母)が共同して行うことになります(原則)。離婚した場合には,親権者となった方が単独で行うことになります。

 では,夫婦が別れて暮らすことになった場合はどうなるのか?いわゆる別居の場合ですね。

 この場合でも,「共同親権」であることは変わりません。ただし,片方の親が子どもを連れて出るような場合にどうなるのかという問題はありますね。結構ある例のように思えます。

 この場合には,現実に子どもの世話をしている方が「監護親」,そうでない方が「非監護親」と言われています。よくあるのは,別居に際して勝手に子どもを連れ去ったとか,子どもの養育監護に問題があるということで子どもの引渡しを「非監護親」が請求するケースです。

 こういったケースでは,①人身保護法にもとづく請求②監護者の指定とこの引渡しを求める審判・調停というやり方があります。ちなみに,①による方法は以前は結構あったそうです。今は,共同親権の場合にはよほどのことがないと認めないという裁判例があるために,あまり使われることはありません。

 そのため,大半のケースでは②の方法がとられていることになりますね。それでは,②の方法では,どんなことが行われ・どんな点が重要なポイントになるのでしょうか?このうち,重要なポイントはたくさん言うことがあるので,次回に触れたいと思います。

 どんなことが行われるかについてですが,家庭裁判所調査官による調査がなされることが多い印象があります。家庭裁判所調査官とは,家庭裁判所の職員で児童心理等の専門家とされている方々です。こうした専門家による監護養育環境などの調査がなされます。個人的な印象として,家庭訪問や監護親・子どもの面接,学校訪問が主な調査のやり方のような気はします。

 どういう段階で調査が行われるかは,話し合い主体の調停の申し立てをしたか・裁判所が判断する審判の申し立てをしたかで変わってくるという印象を持っています。ただし,いずれにしても大きなポイントが家庭裁判所調査官の調査であることはいえます。この調査の結果をもとに話し合いや裁判官の判断がなされることになります。

 もちろん,双方の親に言い分を言う機会はあります。ただ,ある程度の中立性があると言われるこうした調査に重きが置かれることは間違いありません。そのため,こうした調査を巡っての話が自然と重要になってきます。

 では調査を巡って重要となる点,先ほど触れた重要なポイントが何かは次回に触れたいと思います。

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