法律のいろは

離婚協議中に異性と交際することのリスクは?(その①)

2015年7月25日 更新 

 離婚前に配偶者以外の異性と交際等をすれば,いわゆる不倫に該当する可能性があるのには問題がないと思われます。そうなると,そのこと自体が離婚の原因になるのではないか・慰謝料発生の理由になるのではないかが問題となってきうるところです。実際,離婚へ向けた話し合いがなされている場合に,配偶者以外の異性と交際等をした場合にこうしたリスクがない場合がありうるのでしょうか?

 こうした場合には,少なくとも,こうした希望を持つ方には,もはや夫婦関係の修復の意図はないと思われるところです。ただし,子供との関係では,法律的な点はおくとしても,今後の付き合い方に支障をもたらす場合がありうるところです。また,不貞行為として慰謝料の発生原因になるのではないかが問題となるところです。この問題については,最高裁の判断があり,夫婦関係が破綻した場合には慰謝料が生じないとされています。しかし,ここでいう夫婦関係が破綻した場合というのがそう簡単には認められないという点には注意が必要です。

 夫婦間の溝がある程度生じたと感じ離婚の話を切り出した程度では,こうした破綻であると認められるのは相当難しいように思われます。最高裁で問題となったケースでは,離婚調停の申立てがなされ,別居後に肉体関係を持ったと判断されたものなので,夫婦関係の破綻にはそこまで問題がないものと考えられます。ここ数年の裁判例を見ると,別居や具体的な離婚の話が出たことは考慮要素としては意味を大きく意味を持ちますが,様々な事情を踏まえて夫婦の生活実態がいつなくなったのかを問題にしているように思われます。いつ頃から,不貞行為が始まったのかも問題となり,どちらが先なのかという問題も出てきうるところです。
 ケースによっては,別居生活はしているものの,夫婦の間ではなお交流が残っている場合もあり,こうした場合に,夫婦生活が破綻しているから慰謝料請求は認められないと判断されるかというと,そうはならない可能性も十分に出てくるところと思われます。

 このように,夫婦関係が破綻していると言えるかは,その実態を様々な事情から考えていくことになると思われますので,慰藉料請求とはならないとはそう簡単には言えないかと考えられます。
 

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