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遺言が撤回されたというのは,どのような場合でしょうか(その③)?

2016年1月10日 更新 

 前回は,遺言を撤回したのかどうか等解釈が問題となるケースを触れました。遺言をした後に考え直して別の遺言をしたものの,やはり止めて撤回をさらにするという場合があります。この場合遺言として有効な問題は存在するのでしょうか?

 遺言をした方が,考えをさらに変えた場合には,
 
 ・元の遺言のとおりにしたい
 ・そもそもどうするかを考えていない,別の内容にしたい

 という場合が考えられます。問題となるのは,更に遺言をしていないケースではないかと思われます。このほか,更にその後遺言したものの無効となるだけの事情がある場合も考えられます。

 本来遺言をどうするかははっきりと示すべきで別に遺言をするのが原則にはなります。そうはいっても,更に考え直した時点で元々の内容の遺言にしたいとはっきりと意思を示している場合もあり,その場合も遺言がないから,元々の内容の遺言が復活せず遺言がない場合にあたるとするのも不自然な点が出てきます。

 最高裁で問題となったケースでは,最初の遺言(遺言1)が遺言2によって撤回され,その後別に遺言(遺言3)がなされて再度撤回がされたケースです(実際には4つあります)。その遺言では,遺言2は撤回し遺言1のとおりにしたいと書かれていました。裁判自体は,遺言1は無効なのではないかが争われたものです。

 遺言1が復活したのであれば当然遺言1は無効でなくなるので,こうした効果が認められるのかが争点となりました。第1審では一度撤回したものは,ふかっつさせる意思が別の遺言で認められても復活しないと判断して,無効と判断しています。第2審と最高裁ではこの判断が覆っています。なお,ここでは遺言3をもって新たに遺言1と同じ内容の遺言をしたわけではなくても,遺言3に書かれた内容から遺言1の復活を認めるかが問題となっています。

 このうち,最高裁の判断では,遺言をした方の意思を尊重すべきなので,遺言1を復活させる意思が遺言の記載から明らかな場合に復活を認めるというものです。先ほどの遺言3の記載からはそういった意思が明らかに認められるために,復活を認めています。

 このことは,曖昧な点が残る場合には復活が認められないことも示しています。再度撤回する場合には,はっきりとした形で残るようにした方がいいでしょう。あわせて,その当時の遺言をした方の状況から見て他に遺言が無効にならないような注意も必要と思われます。

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