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別居までの預金引き出しやその他持ち出しの財産分与等への影響はあるのでしょうか?

2016年3月10日 更新 

 別居の際などに,夫婦で使っていた預金口座のお金の大半が引き出される・その他の財産が持ち出されるケースはあるかもしれません。そのうえで,さらに何かの請求をされるのは大変という思いはあるかもしれません。この辺は請求をする側からすれば,反論を用意する必要もあるでしょう。実際には,どのように考えられるのでしょうか?

 問題となるのは3点考えられます。1点目は,婚姻費用の支払いを持ち出された側はする必要があるのか。二つ目は,財産分与で先渡しだから,渡す金額は減るべきか。3つ目は,慰謝料その他損害賠償ができるのか。

 一つ目については,裁判例上,毎月の生活費の負担である婚姻費用と持ち出しは関係ないとは考えられています。しかし,特に2点目について,先渡しかどうかが問題になる場合には,あくまでも当分の生活費として貰ったという反論も考えられるところです。生活費を請求する側で,こうした反論を考慮して婚姻費用の請求は少し少なめに行うという事もあるかもしれませんし,婚姻費用の分担の話し合いあるいは交渉でこの点を考慮して金額や支払うべき時期を決めることもあるかもしれません。

 次に,2つ目は,財産分与の先渡しといえるかどうかという点です。合理的な理由のない預貯金の引き出しや財産の持ち出しは,財産分与の先渡しとして考えられる可能性は高くなります。この場合は,持ち出した財産を含め,夫婦で築いた財産を計算し,通常その半分ずつを取り分として考えた上で,持ち出し分を先にもらったと考えていきます。

 具体的には,もともと1000万円夫婦で築いた財産はあったけれども,うち500万円が持ち出され使われていました。この場合,現在は500万円しか残っていませんが,元々清算すべきは1000万円であり,それぞれ取り分は原則からは500万円ずつになります。既に一方が全てを持ち出しているために,残る500万円は持ち出された側が取得するという計算になります。

 実際のケースはここまで単純でもなく,生活費等合理的な使途のある支出と考えられる部分も多くなりますので,先渡し分=持ち出し分となるのは極めて少ないでしょう。

 3つ目の損害賠償請求ですが,裁判例の中にはあくまでも財産分与の問題として解決すべきとするものがあります。財産分与で考慮したうえで,損害賠償請求でも考慮という可能性ももちろんありえますが,二重取りはできない点には注意が必要でしょう。

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