法律のいろは

面会交流を拒む事由に,妻側へのモラハラなどがあったは当てはまるのでしょうか?

2017年5月1日 更新 

 離婚の前であれ離婚の後であれ,現在子供を養育していない親の方にとって子供の様子は気になるところです。別居の状態が生じた後では,夫婦間の関係はよくないことが多いですが,そこに至る経緯が特に離婚前における面会交流の場に影響することがありえます。

 

 その形は様々あるため特定は難しいですが,これまで子育てに関与していないのに子供に面会交流をしたいというのはおかしいというものから,相手方と関わりたくないというもの・以前からモラルハラスメントやDVがあったというものまで様々考えられるところです。親権を譲るから面会交流は確保したい(逆を言えば,面会交流ができるのであれば親権は讓)という形の話の進む場合もありえますが,あくまで子供のための面会交流という点があり,建前としては「交換条件」となる者ではありません。ただし,話を円滑に進める点もあって,子供との結びつきを確保することで親権の話を進めるケースもありえます。

 

 とはいえ,以前からの事情などから子供と現在養育していない親との関係に否定的なケース(これは妻側であれ夫側であれあり得るところです)もあり得るところです。特に妻側からの拒否が見られる場合の理由の一つにモラルハラスメント・DVが妻に対して以前あったということも考えられるところです。こうした事情が面会交流を拒む事情になるのでしょうか?

 

 この問題は難しいところで,子供に対する暴力その他の影響がない場合にはそう簡単に面会にとってマイナスの事情とは言えない点はあります。そのため,簡単には面会交流を拒む事情とはならないでしょう。しかし,子供の面前でモラルハラスメントやDVといった事柄が行われている場合には,子供が怖いイメージや今養育している親に遠慮をすることもあって,悪影響がいきなりの面会交流の実現には生じる事柄もありえます。また,子供が小さい場合には,両親ともに面会交流に関与する必要性もあり,実際にDVやモラルハラスメントがあった場合にはその程度によっては障害ともなりかねません。こうした場合には,面会交流に何かしらの制限が必要となることも考えていく必要があります。

 その一方で,親の事情と子供の事情には異なる点もあり,悪影響となる事情がはっきりしないのに簡単に面会交流を拒む事情と言えない点もあります。こうした場合には,具体的にどのような支障があり得るのか・支障の軽減策がないかを考えていく必要があります。前者については,家庭裁判所調査官の調査をしてもらうよう希望することも,調停という形であればあり得るところでしょう。

 実際にDVやモラルハラスメントがあったのか自体が争いになっている場合には,中々話が進まない可能性が高くなるでしょう。実際にこうしたことがあった場合を含めて,合意ができる範囲から子供との結びつきを確保する道を選択するのか・相手方の言い分がおかしいから納得いくまで争うのか等ご自身が目標とする点をよく整理して方向性を決めていく必要があるでしょう。

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