法律のいろは

裁判になった場合は,敗訴した側が弁護士費用や裁判費用を負担するのでしょうか(その①)?

2016年1月7日 更新 

 裁判になった場合,弁護士の方に依頼をすればそのお金がかかりますし,裁判所に収める収入印紙や切手代がかかります。裁判になる場合,相手との対立が大きい場合が多いと思われます。わざわざ裁判をするのだから,自分が勝訴したら相手にこうした費用を負担してほしいという気落ちになる方は多いでしょう。実際はどのようなものなのでしょうか?ここで触れるのは,民事裁判での話となります。

 一般に「訴訟費用」といわれるものは,多くの方のイメージとは異なり弁護士に依頼した場合に払うお金は含まれていません。裁判=弁護士に頼むもの,というイメージを持っている方もおられるでしょうけど,日本では裁判で弁護士に依頼しないと「いけない」わけではありません。とはいえ,弁護士に依頼した方が安心・他のことに力を注げる等につながることはあります。

 そのため,法律上,「訴訟費用」は敗訴者負担とされていますが,この「訴訟費用」の中には弁護士費用は含まれてはいないのです。それでは,この「訴訟費用」とは何のことを指すのでしょうか?

 何を指すのかは法律で定められています。多くは,裁判を起こすこと等の手数料(通常収入印紙で収めます)・証人尋問を行う際の日当や旅費,郵便代,鑑定などの手続きを行う際の費用などです。細かい点を挙げるときりがないので主な点だけを挙げておきます。

 これらの費用は,先ほど敗訴者負担といいましたが,まずは申し立てをした方が立て替えて支払うことになります。これは裁判の結論が出るまで勝敗がはっきりしない反面,こう知った費用の支払いを先にする必要があるためです。最終的にどうなるのかは次回以降に触れたいと思います。

 ちなみに,お金はないのだけれども(裁判を起こす際の手数料は法令で一応決まってはいます),裁判を起こす場合には,訴訟救助という制度が使える場合もあります。これは,裁判を受ける権利を保障するために,「訴訟費用」の支払いを猶予するという制度です。大事なことは,あくまでも猶予であって免除ではないという点です。裁判の結果いかんによっては支払う必要が出てくる場合もありえます。この制度は,勝訴の見込みがないとは言えない場合(一応はあるといえる場合)に使えるものですから,明らかに勝訴の見込みがない等の場合には使えません。

 それでは,弁護士費用は全く認められないかなどの点については次回に触れたいと思います。

 

 

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