2016年6月11日 更新
勤務先の業績やその他さまざまな事情から,リストラその他給料が上がる・下がるという可能性は大なり小なり,多くの方が抱えた問題と思われます。そうした可能性には,ひょっとしたら,というものから,差し迫ったというものまで千差万別でしょう。こういった事柄が,収入の金額にかかわる事柄ですが,婚姻費用の金額を決める際にどう考えられるのでしょうか?
結論から言えば,リストラその他の給料の変動の可能性が差し迫った(可能性が高い)場合には,その後の金額を考慮するということになります。裏を返せば,ひょっとしたら,という程度や将来そのようになるかもしれないという事情であれば,考慮はされないということになります。
ここでの考慮とは,婚姻費用の金額を決めるにあたって,算定式などで考えられる収入の金額をいくらにするのかという問題の話になります。一般には,昨年と同じ収入を得られる可能性が大きく,前年の源泉徴収票などをもとに収入額を考えていくことになります。ここでの話は,その可能性が当てはまらないために,正確に今年の収入はいくらになるのかを考えていくというものです。
当然将来のことなので,どうなるかわからないという点はありますが,可能性が低いものであれば,当然考慮すべきではありません。逆に高ければ,考慮しないと今年の収入金額が想定と大きな齟齬を出すことになりかねません、これでは不正確な金額を基にしたことになってしまいます。
ここで問題となるのは,リストラということであれば,その根拠となる事情が何であって,どの程度の蓋然性があるのかという点になります。この場合は,収入が低くなるため,婚姻費用の金額を低くしてほしいという話になるでしょうから,主張する側でその根拠を示す必要があります。この話が曖昧であるとか・根拠が示せない話であれば,当然考慮はされなくなります。降格やその他の減給がありそうな場合も,同じようにその根拠となる事情を示す必要があります。
婚姻費用の調停であれば,単に調停委員に話を伝えるだけでなく,根拠となる資料を提出した方が(資料がある場合です)話を進めやすくなるものと思われます。単に給料が下がるという話を言えばそれで足りるわけではないという点には注意が必要です。
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