法律のいろは

子供との面会交流その⑪離婚の前後

2013年11月7日 更新 

 離婚の前後を通じて,別居がある限り,子どもを現に養育監護していない親と子どもとの面会交流は問題となるところです。これまで何度か面会交流については触れて来たところです。今回は調停や審判で決まった面会交流に関する決まりが守ってもらえない場合に,子どもを養育監護していない親(親権のない親)が強制措置を求められるかどうかについて述べた最高裁の決定を補足しながら,子どもが合いたくないと言っていることどうするのかを考えていきたいと思います。

 

 今述べた最高裁の決定は今年の3月に出たもので,以前このコラムでも何回か取り上げました。繰り返しにはなりますが,相手に制裁金の支払いを求める形で強制していくには,強制していく内容がはっきりしていないといけないという判断を裁判所はしています。

 実は,この決定は3つの別々のケースについての判断で共通する点として述べられたものです。細かい部分を見ると,その中の一つには,調停や審判で面会交流が決まった後に,子どもがやっぱり面会をするのは嫌だと言った場合にどうするのかということも触れています。

 面会交流というと親の権利のようにとらえられがちですが,子どもの成長にとって好ましい限り認められるべき,あくまでも子供から見た権利です。となると,子どもが嫌だと言えば,強制するのはおかしいという考えも出てくるところです。

 これまで触れたように,子どもが会いたくないと言っているといっても,今養育監護している親(親権者)の影響を受けていることもあり,どこまでが本人の意思かが分からない場合もあります。ただ,実際にかなり嫌がっている場合も考えられます。

 

 こうした点について,先ほどあげました決定では,あくまでもこうした子供が嫌がるようになったと言う事情はあくまでも,別に面会交流のための話合い(調停)や裁判所の判断(審判)を求めるべき事項であると述べています。こうした判断からは,やはり子供が今は養育監護していない親と会いたくないと言っている場合には,面倒でも裁判所での手続き(調停・審判)を求める必要があるということになります。

 こうした点は,強制措置(強制執行と法律上言われるものです)を行う裁判所では,こうした意思の確認を行うことを予定していないからということができます。

 

 このように,後で変わった事情についてもよく注意する必要があります。次回に続きます。

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